シマエナガは夢を見る Ⅲ (ページ34)

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泣かないで？ページ34

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深「ね俺は？わかる？」

『もちろんだよ...ふっか...さん』

こちらも目をうるうるさせながら聞いてくるから
名前を呼べば口元に手をあててウンウンと頷いていた

阿「待ってたよ nora」

『あべ...ちゃん』

彼もまた目を赤くして優しい笑顔を返してくれる

阿「ほら...翔太来なって」

入口付近で立ったまま近付こうとしない彼に
阿部ちゃんが声を掛け手を引いてくる

『しょっ...ぴー？』

渡「っ...俺...」

『ありがとう...しょっぴー
約束守ってくれた...んだよね？
ずっと...傍にいてくれたん...だよね？
ホントに...ありがとぉ』

そうお礼を告げて酸素マスクを外し
重たい体を起こすと
横に突っ立っていた彼の腕を引いて
ぎゅっと抱き締めた

だってあまりにも
壊れてしまいそうな顔をしていたから...

『ありがとう...しょっぴー』

渡「っ！！！」

すると堰を切ったように泣き出し
まるで小さな子供のように声をあげた

渡「ごめん！守れなくて本当にごめんっ！！」

何度も何度も謝りながら泣きじゃくる彼を
あとの3人も涙を流しながら
安心したように微笑んで眺めていた

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