シマエナガは夢を見る

帰る場所 ページ9

滝「お前 どうしたんだよ...それ...」



ジャリっと 1歩進む音に
私の体はビクリと跳ねる

同時にガタガタと体が震えだし
涙が止まらなくなった


『こない で...』


その様子を見て何かを察したのか


滝「ちょ ちょっと待ってろ
絶対に動くなよ！」


そう言って 建物の中へ走って行った


息を切らしながら戻ってきた時には
私の中の私が 求めていた人を連れていた


「...nora なのね？....」

私の姿を見るなり
口を押えて涙を浮かべた

『おか あさん...お母さんッ！！』

堪らなくなって駆け寄った私を
「おかえりなさいっ」と受け止めてくれた


「ごめんね 本当にごめんなさいッ
あなたを手放すべきではなかったわ...
辛かったわね 苦しかったわね」


施設長 基 お母さんは
涙を流しながら頭を撫でてくれた

ギュッと 抱きしめてくれた


『こんな 髪なのに こんな姿なのに
どうして 私だってわかるの??』

「当たり前じゃない！
どんな姿になろうと 大事な娘ですもの

あ...でも 娘じゃなくても分かってくれた人が
もう1人居たわね」


ゆっくりと視線を上げると
少し距離をとって
哀しそうに微笑む彼が立っていた



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