シマエナガは夢を見る

歌いたい ページ43

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私が女だと 世間に知れてしまった

もし許されるなら
ここに残りたい

ただ

知られたからには
想像を絶する非難の嵐だろう


それでもいい


どんなに叩かれたって
私が選んだ道
途中で逃げ出したくはない


だってまだ
大好きな歌は 歌えていないんだから


スタジオが空いていることを確認して
少しだけ 時間を借りた


初めて入るレコーディングスタジオ
使い方は聞いてきた

1曲だけ...

1曲だけ歌いたくて

限られた時間の中で
歌う曲は決めてきた


SnowManの【SnowDream】


滝沢くんが名付けた彼等が
ファンのみんなにデビューを誓って
想いを込めて歌った歌


私だって デビューを夢見たことが
無いわけじゃない

ただ グループに入ればメンバーに
デビューすればもっとたくさんの人達に
迷惑をかけてしまう だったら...


歌を歌いながら
夢が遠くて 胸が苦しくて
歌詞に込められた想いの強さに
自然と涙が溢れていた


歌い終わった時
誰もいないはずのスタジオに
拍手の音がした

そこにいたのはSnowManの渡辺翔太くん

慌てて涙を拭いて
深々と頭を下げる

『ご ごめんなさい！！
誰も使う予定無いって聞いたので！今すぐ出ます！』

急いで荷物を抱えて部屋を出ようとしたその時
手首をガシッと掴まれた

渡「待って 他に歌えねーの？」



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