シマエナガは夢を見る

兄の想い ページ22

《滝沢side》

滝「デビューは 考えてないのか？」

俺のその言葉に
noraはピタリと手を止めた

『それってグループに入るってことだよね』


滝「そう...だな」


すると ほんの少しだけ間を置いて
哀しげな笑みを浮かべながらnoraは答えた

『無理だよそんなの...

だって 女だって知れたら
確実にメンバーに迷惑とか負担掛けちゃう
ファンは女性で成り立ってるんだもん
叩かれるのは目に見えてる』

滝「そうだけど
女だろうと男だろうと お前の実力は本物だ
このままなんて勿体無いよ」

『いーのいーの♪ バックダンサーでモデルで
活躍出来てるんだから』


それ以上 言えなかった

noraの目的は
デビューして輝く事よりも
ただ この世界で生き抜くことだと
俺が1番分かっていたから


『ねぇ！何食べる？
私この間撮影だったから外食久々なんだ〜♪』

滝「好きなの食べていいよ
あ でも高級なのはナシな笑」


そこから先は
仕事の話しは抜きにして
ただ2人の時間を楽しんだ


けど

noraの実力が才能が
燻ったままなのが


俺にはどうにも耐えられないんだよ




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