𝐁𝐥𝐨𝐨𝐝 𝐋𝐚𝐩𝐚𝐜𝐞𝐬𝐬𝐞 (ページ6)

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𝐂𝐚𝐧'𝐭 𝐞𝐬𝐜𝐚𝐩𝐞 ページ6

『吸....血鬼？...私がﾞ餌ﾞって........。父は知ってたんですか？』

空気が抜けるように全身の力が無くなっていき、唖然としてしまった。以前母からよく聞かされていた、御伽噺の吸血鬼達が実在することにも、そしてその吸血鬼の生贄と言われるものが私だという事実にも。

「さあな。でもお前はレブ以来初の特別な血を持った女だってことは間違いない。」

レブ....？ボスと呼ばれる男が意味のわからない事を言った瞬間、周りの人達は目を大きく見開き私を見ると、うっすら笑みを浮かべた。

「へぇ、んじゃあコイツが俺たちが長い時間探し求めてたﾞラパセスﾞってコトか。」

「よりよってこ〜んな貧相なブスがかよ。.....マイキーよく見つけましたね。」

「あの伝説のレブってことはさぞかし美味い血なんだろうなァ〜？」

「........あﾞ〜、喉乾いた。」

「......やっと見つけた、俺らのラパセス。」

そう言う彼らの瞳は鋭く私を突き刺し、吟味するように下から上へと視線を移す。

『ッ........いや！！！！』

瞬間、全身に鳥肌が立つ。ダメだ、ここにいてはいけない。そう悟り、今更ながらに怖くなった私は、ボスと呼ばれる男の手を拒み、逃げるように部屋から出た。

「逃げたって無駄なのに。────なァ、竜胆？」

「全くだな、あんなに怯えちゃって。.....フ、可哀想だな。」

勢いで出てきたものの、全く知らない道をただ走ることしか出来ない。なんでこんなに広いんだ。この数分で色々なことが起こりすぎて未だ情報が処理できていない。とにかく今は此処から出なければ。そう考えているもつかの間、グイッと誰かに腕を強く引かれた。

「よォ、さっきは随分と焦ってようだけど。もしかして俺達から逃げるつもりだった？」

長い銀髪の男にガシッと顎を掴まれ、一瞬で身動きの取れない体制になってしまった。愉しそうに目を細めにやりと笑う彼が気持ち悪いほど怖く、自然と抵抗する力も抜けてしまう。

『い、痛....、い。はな、して....！』

「んな事言われてはいわかりました。....って離すと思うか？こ〜んな極上な血が目の前にあるってのにさ。......なぁ？」

男は耳元で吐息混じりにそう言うと、私の首元にガブリと噛み付いた。