もう一度恋してみませんか？２【K・N】 (ページ36)

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80 同期の雛子ページ36

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ヤバっ、遅刻だわ

キョロキョロとあたりを見渡しながら自分のデスクに向かう。

あれこれ鞄に詰め込んできたから重いよ。

ホワイトボード見たら、
今日は珍しくみんなで払っていて、櫻井も松本くんも雅紀もいない。

ラッキー！
櫻井がいたら、出社が遅いって文句言われちゃうとこだった。

でもさ、自分から話があるって言ったくせにさ。
どこいっちゃったのやら。

まぁいいか。
煩いの面倒だしね。

デスクに座って書類を書いてたら、雛子がやってきた。

「A、今日はずっと会社にいるの？」

「ううん。この書類書いたら二宮先生のところに行くよ。しばらくは毎日になるかなぁ」

「そっか。久しぶりに一緒にランチして話がしたかったんだけどさ」

なんとなく含みがある言い方で、何か大事な話でもあるのかなぁ。

「ごめんね。私もランチしたいんだけど当分は無理みたい。櫻井の指示で二宮先生のとこで雑用しなきゃだからね」

「そっかぁ。じゃあ仕方ないね」

ちょっと残念そうにしているから、私に話でもあったのかなあと思って口を開こうとしたら

「そういえば、今朝櫻井くんが言ってたよ。しばらくAは忙しくなるから、事務処理の面でサポートやってくれって」

「へーそうなんだ。あいつなかなか気がきくね」

「ねえ、Aってさ、櫻井くんに対しては、いつもそんな感じなの？」

突然の言葉に

「そんな感じって？」

ちょっとびっくりして雛子を見る。

「んーー。どう言ったらいいのかなぁ。櫻井くんは大学院を出てから就職してるから同期だけど年上だよね。それにしてはAとすごく親しく見えるというか。なんだか仲よすぎて、時々2人は付き合ってるの？って思っちゃうんだよね」

「へ？」

いきなりの雛子の言葉に驚きすぎて、変な声が出た。

「それってありえないよ！。櫻井と付き合うって考えたこともないし」

ブンブンと首を振りながら否定すると

「そうなの？。入社してすぐの研修の時から仲いいから、入社する前からの知り合かなぁって思ってた」

「いやいや、あり得ないし。付き合うとか全然ないからね！」

目一杯の否定

「そうやって否定すると、余計怪しく感じちゃうなぁ。」

え？。
雛子が私にこんなこと言うなんて初めてで。
どうしちゃったんだろ。

雛子、私と櫻井の事をそんな風に思ってたなんて。

どちらかと言えば控えめな人だし、普段は余り自分の意見を主張しないから、正直ちょっと驚いている。

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