弐拾肆−川端 勇 ページ24
＊
食事後、青年が書物を持って部屋の中に入って来た。その書物は古いものの様で、青年が言うには戦国時代頃に書かれたものらしい。
『
表紙にその一文字だけ書かれた物だった。
「申し遅れました。私の名は、川端
何か隠していることは確かだったが、それを言及する事はしなかった。
「祖父から、貴女の話は聞いていました。だからこそ、これをお見せしたかったのです。」
読んでくださいと、勇がAに手渡した。Aが書物を受け取り、めくる。それを炭治郎も覗いて見た。スラスラと書かれた文字は、滲んだりしていて読めないものが多かった。
「ふふ、難しいですよね。私も苦労しました。では、読める部分は現代語に直して朗読致します。」
『白の呼吸は、□□□。水、炎、雷、風、岩。これらを□□□。そして、□□□。多くの呼吸に当てはまり、当てはまらないもの。それが、白の呼吸と聞きました。之は私達が継承していかねばならないのです。例え、□□□とも。』
白の呼吸の事が書かれた書物だった。白の呼吸なんて、ただ御先祖様の動きと、記憶の中の舞でしか知らない。型しかわからない。だから、詳しく書かれたこの書物はとても有難かった。
この書物の人物は、御先祖様と関係があった様だ。事細かに白の呼吸について書かれている。これを通して、継承してきたのだろう。
『私は□□□出来ません。刀を握り、隣に立つ事も叶いません。どうか、□□□することしかできない□□□をお許し下さい。そして、この□□□と共に□□□していきます。約束致します。』
最後にそう綴られていた。まるで、手紙のような文章だった。
「これは、祖父が持っていた書物です。Aさんが鬼狩りを始めた頃に譲り受けました。きっと、もう弟子を取らないのでしょう。Aさんで、きっとこの長い戦いが終わると、信じているのだと思います。私も、そう思っています。」
柔らかく目を細めて笑う勇。その表情にどこか、見覚えがあった。仁�遒箏阿箸楼磴Α�微笑みの既視感。誰のものだったか。
「もう一つ、話をさせてください。貴女のお父上、俊之さんについてです。何故、俊之さんが白の呼吸を知っていたのか、関係性をお教え致します。」
弐拾伍−家族の笑顔を守りたかった。→←弐拾参−魂が叫んでいるような
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作者名：僕達はエンジェル | 作成日時：2021年9月25日 14時
