Mystery 16 ページ16
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貴方「え?キャンセルされた?」
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美憂「さっきメールがきて、土曜日予定が入ったって…」
貴方「そっか。」
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昼休み。
美憂が今にも泣きそうな顔で、そう呟いた。
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ホッとしている自分がいれば、それに対してイライラしてる自分もいた。
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貴方「来週とか会えるんじゃないかな?」
美憂「それが、暫くは無理だって。」
貴方「忙しいのかもね。」
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励ますつもりで、美憂の背中をポンと叩いた。
けれど、美憂の瞳からは大粒の涙が零れ落ちた。
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「私、嫌われてるのかな。」と肩を揺らしながら呟いた。
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私には解らない。
大貴くんが誰を好きか。本気で愛してる人がいるのか。
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貴方「そんな訳ないよ、幼馴染なんだもん。」
美憂「でも…」
貴方「それに嫌われてたら、連絡何てとってくれないよ。」
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もしかしたら、美憂が好きなのかもしれない。
でも、だとしたらおかしいんだ。
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だけど、そんな事は口が裂けても言えない。
きっと傷ついてしまうから。
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美憂が好きな大貴くんではないと解ってしまうから。
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美憂「…優しいね。」
貴方「ホントだもん。」
美憂「ううん、違うの。」
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何か話そうとしている美憂に耳を向けたけれど
美憂は唇をギュッと噛み締めて、話してくれなかった。
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貴方「美憂?」
美憂「涼介くんの事、好き?」
貴方「うん?」
美憂「大好き?」
貴方「うん。」
美憂「愛してる?」
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代わりに、そんな事を聞かれる。
けれど、その言葉にはどこか憎しさが込められているような気がした。
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貴方「うん。愛してるよ。」
美憂「そっか。そうだよね、ずっと好きだったんだもんね。」
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そう言うと、どこかホッとしたように微笑む美憂。
明らかに何かを隠しているのが解った。
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でも聞いてはいけないような気がした。
聞いてしまったら―…
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全て壊されてしまうような気がした。
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貴方「美憂が大貴くんを想う気持ちと同じだよ。」
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代わりにそう言うと、
美憂は少し悲しげに笑顔を浮かべた。
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小さな声で「ありがとう。」と聞こえた。
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涼介love - 小説読ませて頂きました! とてもおもしろかったです! 私は涼介君ファンなのでなおさらおもしろかったです!! (2016年5月4日 19時) (レス) id: 7ac326bf9a (このIDを非表示/違反報告)
霧風アイ(プロフ) - 完結おめでとうこざいます!!最後まで読ませてもらいました(´∀`)お疲れ様です^^新作の方も読ませてもらいます(*´ω`*) (2013年11月22日 19時) (レス) id: 05702c81b0 (このIDを非表示/違反報告)
李嘩@最近アニメみてない(プロフ) - すごく面白いです!親友君があんなだったなんて・・・最後までみて本当にドキドキしました!(o^^o) (2013年11月16日 7時) (レス) id: 19f61543da (このIDを非表示/違反報告)
きゅんきゅん - 終わりましたね〜。お疲れ様でした。切ない気持ちになりましたが、素敵なお話しでした。幸せの感じ方は人それぞれですものね。良くわかります。身体に気をつけてゆっくりと新作作りしてくださいね。更新楽しみにして待っていますね。 (2013年11月15日 20時) (携帯から) (レス) id: 833fe62d5d (このIDを非表示/違反報告)
りん - なんか、よくある恋愛小説とちがって、おもしろいけど怖い、そんな感じのお話ですね!まさかの親友君が・・・こんなの、初めての展開で続きがほんとに気になります!更新楽しみにしています! (2013年11月10日 0時) (レス) id: 5602be7749 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*琳檎* | 作成日時:2013年10月19日 16時