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こいつはヤバい奴だと、本能が告げる。相棒も、ステラもグラスも固まって動かない。「逃亡者」と「同族嫌い」。どっちがどうなのかは分からないものの、2人の反応から「正解」ということが伺える。
「ま、これ以上これ以上言うてもつまらへんくなるだけやし、やめた。」
「…なんの目的で僕達に接触したの。」
震えた声で、グラスが問う。彼女の言葉が真実であれ虚偽であれ、先程の一言の迫力は凄まじいものだった。それは、まだ比較的幼い彼を怯えさせるには十分過ぎただろう。
「目的…？なんやったっけな…せや、アドバイスやったな。」
頭がゆっくりと動く。その細長いマズルの先がアナザーを捉えた。額を指す真っ黒な鼻は、まるで銃口のようだった。
「そこのアウター。もし傷つきたないのなら、引き返した方がええで。知らへん方が幸せなこともある。別に、記憶なんてのうたって生きていける。うちは辞めるのをすすめるわ。」
〈…だとよ。どうなんだ、相棒？〉
回答を出すまでに、時間などかからなかった。これは、絶対的な意思。これは、変わることの無い目的。
「…それでも、僕は知りたい。自分が何なのかって。君は知ってたでしょ。どうせ僕がこう答えることすら。」
声は、震えていた。それでも、紅く光る目はしっかりと銃口を、銃身を捉えていた。
狐は不敵に笑うと、また口を開いた。
「…そっか。ほな、せいぜい頑張って。
うちは、どっからか見てるさかい。またあったらよろしゅう。」
そう言って、彼女の姿は一瞬にして消えた。
沈黙。3人はみんな、狐のいた所を未だ眺め続けている。最初に口を開いたのはグラスだった。
「一体、あいつは何者だったんだろうね。」
「気味が悪い。私達の事を本当に知ってるのかは知らないが、どっちにしろあまり関わりたくないね。…敵、でなければいいんだけど。」
狐が去った後、彼女の言ったこと…特に3人をそれぞれ呼称した「逃亡者」「同族嫌い」「混ざりもの」についてはお互いに言及することは無かった。誰がどんな経緯をたどってようと、正直関係ない。いや、「アナザー」の記憶を辿っている時点で関係はあるが、肩書きなんてどうでも良かったのだ。
妙なタイミングで現れた、妙な雰囲気を纏う謎の狐。言いたい放題に喋りまくって消えていった彼女は一見ただの変人だろう。しかし、ただものでは無い。それだけははっきりとわかった。
風が吹いた。昨日と変わらず、湿っぽい風だった。
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桜とおもち(プロフ) - イベント参加ありがとうございますm(_ _)m 文章が凄い！！ 語彙力めちゃめちゃありますね✨️ 尊敬です！ (2022年9月4日 14時) (
レス) @page1 id: acf700690e (このIDを非表示/違反報告)
ユッピー - イベントから来させていただきました。 おもしろい作品ですね。 右星失礼します。 出来たらイベント方にも､､､ お願いします！ (2022年3月5日 13時) (レス) id: 6b09c899b4 (このIDを非表示/違反報告)
リール - シトラスさん» プレイさせて頂きました。長々しい描写やセリフを見事に簡潔に落とし込まれていてプレイしやすかったです！まさかのキラクサ、ノモギ、イトマキ草が出てきて驚きです(笑)わざわざありがとうございます。プレイしていて楽しかったです！ (2021年12月29日 1時) (レス) id: 0b2220b92c (このIDを非表示/違反報告)
シトラス(プロフ) - こちらです。https://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm23820?key=2f9881f8d2d7 限定公開のはずなので新着には上がりません。グラスと出会うところまで作りました。 (2021年12月28日 6時) (レス) id: 2edafec9c3 (このIDを非表示/違反報告)
リール - シトラスさん» まさかの操作パートまで…ぜひプレイさせて頂きたいです。 (2021年12月22日 0時) (レス) id: 0b2220b92c (このIDを非表示/違反報告)
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