真っ黒な髪の少年 [∞]

#5 ページ5

裕「吸血…鬼…」

「そう。」


この子が…？


「大丈夫、君は襲わない。」

そう弱々しく笑った口には


牙_________



裕「ほんまに…？」

「本当だよ」


信じられない


裕「何で…ここに…」

「私が住んでた村が、人間にバレちゃってね。夜逃げの時、人間に襲われて…生き残ったのが、私だけだったんだ…」

「お母さんも、お父さんも、村の人、皆が殺された…逃げる時、銃弾が足に当たった気がしたけど、痛くないから…夢中で逃げてたら、気を失ったみたいで……っ」



綺麗な、赤い目からこぼれ落ちた涙は

人間のようでした__________

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