第四発 ページ4
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ガチャ、バタン
純金で出来たノブを捻り浴場に入る。私は、この私専用の大浴場をいつも使うことになっている。太っ腹な大地さんが作ってくださったのだ。みんなが使うところでいいと言ったのだが。
「ふー、ざっとシャワー浴びてから稽古場行こうか。翔陽達待たせちゃ悪いしな。」
広々とした浴室に大きな湯船が幾つかあって、サウナは勿論、電気風呂なんかもある。風呂に入れる用の薔薇や柚なんかも。どれも私好みで、入る度、感謝している。
壁一面のオシャレな装飾は大体が宝石。ライオンのオブジェは鬣が金、瞳がエメラルドで何処かにダイヤモンドも埋め込まれていたとか何とか。
シャワーの前へ行きガっと蛇口を捻ると、途端に滝の如くお湯が溢れ出てくる。
ザー
髪をわしゃわしゃと洗いながら、今後のスケジュールについて考える。
「(誠凛…今急激に勢力を伸ばしているけれど、特に大きいことは何も仕出かしてはない。でもそういう所こそ裏をめくればどす黒いモノがわんさか出てくるのよね。)」
十分に洗い落とせたと感じたところでギュっと蛇口を捻ってお湯を止める。
「さぁ、仕事戻る前に翔陽らの稽古に付き合ってあげないと。どれくらいレベル上がったかな。
いつも頑張ってるから、結構強くなってると思うんだけど。」
ガチャン
風呂場から出て体を拭き、髪を乾かし、用意しておいた服を着る。
「そろそろ湯船にゆっくり浸かりたいわ。はぁ。」
ん?脱衣場の向こうから誰かの気配がするような・・・まさかとは思うけど夕達じゃ、ないよね?
『あれ、こんな所で何やってるんですか、2人とも。』
『え!?ああ〜月島か!ええっと、その〜』
『は〜。覗きしてたなんて、大地さんに知れたらヤバいことになりますよ。』
『頼む!!黙っててくれ!!』
『覗きをしていたのには腹立ちますけど、いいでしょう。これで借りができましたね。』
『うっ。』
当たってた。何やってんだよあの2人は。暇なら稽古しろ。
あ、稽古といえば、翔陽
ガチャ
「あ、あの2人・・・逃げた。」
全力で走り去る後ろ姿が。全く。
「いけない!早くしないと、翔陽待たせちゃう!」
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作者名:来夢 and Mystic | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/raimu2/
作成日時:2018年3月23日 23時