第三発 ページ3
.
｢誠凛…ですか。｣
｢ああ、聞いたことは？｣
｢ありますよ、最近有名になってきたマフィアですよね。…本物の敵になる前に潰す…って事ですか？｣
｢まあそうなるな。連日忙しいだろうが…宜しく頼んだぞ。｣
｢分かりましたー。｣
二、三口言葉を交わすとそのままお風呂の方向まで一直線。
後ろに感じた気配にぴたりと足を止め後ろを振り返る。
｢夕、龍之介？｣
そっぽを向いたり、鼻歌を歌って誤魔化そうとする二人に向かってにっこりと笑顔で告げる。
｢覗こうなんて思ったらボスの雷落ちるよ…？｣
後ろに般若顔で仁王立ちしているボスの姿が目に入ったのでついでに教えておくと二人がまるで機械のように後ろを向いた。
その後はご想像にお任せすることにしよう。
｢Aさん！お風呂入りに行くんですよね！？｣
｢今から行くけど…。どうしたの翔陽。｣
｢あ、あの…！お、終わったら稽古つけてもらえませんか！｣
｢あ"ッ、翔陽テメェ抜け駆け禁止だぞ！！｣
｢Aさん滅多に稽古ついてくれないんだからな！｣
いつの間にか生き返っていたのか騒がしい二人組がギャーギャー騒ぐのを聞き流し、にっこり微笑むと頭を撫でる。
その仕草に顔が分かりやすく赤くなる様を見つめてくすくす笑ってしまう。
｢いいよ、終わったらしようか。翔陽はいつも頑張ってるもんね。｣
｢あ、あざーす！！｣
｢え！ずるい！！なら俺にもつけてくださいよ！｣
｢俺も俺も！｣
｢そこ二人は遠慮してやっても勝負にならないでしょうが。｣
｢｢ヴッ｣｣
｢てことで翔陽また後でね。｣
手をひらりと翻し、笑顔を浮かべたまま脱衣所の方まで再度足を向ける。
夕と龍之介はしばらく地に伏せ魂が抜かれたような顔をしていたそうだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 30人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「ヤンデレ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：来夢 and Mystic | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/raimu2/
作成日時：2018年3月23日 23時
