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黒田くんと放課後と旗印戦 ページ7

武田くんの旗印戦のあった放課後、私は帰るために席を立つ黒田くんに近づく。

「黒田くん黒田くん。今日この後ご用事ある?」
「何もないが、どうかしたのか?」
「実はね、さっきSNSで××先生が学校近くの商店街の本屋に来ているらしくて。急遽サイン会とトークショーをするんだって。前に黒田くんも好きだって言ってた作家さんだし、一緒にどうかなって」

カードフォンの画面を見せながら黒田くんに画面を見せながらそういえば、画面を確認された後に「いいぞ」といい返事をもらえる。

「やった。じゃあネットで整理券だけとっとくね」
「ああ、任せた。17時からなら早めに向かうか、混むだろうからな」

パパっとカードフォンを操作して整理券を2人分ゲットし、黒田くんの後を続いて教室を出る。××先生の作品は私も黒田くんも全作品読んでいて、こないだ好きな本について話しているときにお互いの好きな作者が××先生だと知ったのだった。

本屋への道中、××先生の新作などの話をしていたが、ふと黒田くんが静かな声で話始める。

「夏目、お前は旗印戦をどう思う」
「旗印戦?見てて面白いシステムではあるなって思ったけど。建てられた側は今日黒田くんが言ってたように失うものはないし、それって仕返しできるってことだよね。戦う意志さえ折れなければ、旗印取られない限り戦えるの強いよね」

私のそういった感想に、黒田くんは変わらない声で「なるほどな」と返す。

「黒田くんはさ、どう思うの?私は完全に見る側の意見しか言えないけどさ、黒田くんは多分、そうじゃないよね」
「そうだな.......。ここだけの話、ということになるんだが」
「うん」
「旗印戦は団体戦でこそ、その真価を発揮すると考える」
「真価?」

私の問いに、黒田くんは頷く。

「旗印戦において、他者の干渉を禁止していない。1人が旗印を掲げて、その旗印に他の者が便乗することができる。その便乗した者たちは万が一負けたとしても、旗印を失うことはなく、旗印を立てられる者がいる限りその者たちの旗印戦は終わらない」
「えっと、旗印戦は個人戦じゃなくて団体戦ってこと?」
「その通り。しかし今現在、協力をしている者は誰もいない。居て井伊たちだがそこまで考えてはおらんだろう」

黒田くんはそこまで言うと立ち止まり、少し間をおいて私の名前を呼ぶ。

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作者名:妙党 | 作成日時:2022年10月1日 15時

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