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『凪、新しい服持ってきたから着替えておいで』
「えー…めんどくさい。A、脱がせて〜」
「なに言ってんだお前」
「…ガードが固すぎない?お嬢さん」
座ってバンザイして、脱がせてもらう気満々の凪。に、ある程度拭き終えてくれた千切が、私が答えるより前に、凪の頭をパシリと叩いた。後頭部を摩る凪に、「自業自得だ」と、隣に腰を下ろして苦笑する玲王。
その玲王が、ふと凪に定めていた視線を私の頭に移動させた。
「Aさん、髪結んでるの初めてみた。似合ってるな」
『ふふ、ありがとう玲王。実は私もお気に入り』
「……千切とおんなじか、それ」
『そうそう。千切にしてもらった』
笑顔で褒めてくれた玲王。こう言うところがモテる秘訣なんだな。けれど、私と千切を見比べて笑顔がぎこちなくなった。
どうかしたのかと首を傾げるけど、玲王の表情は沈んでいくばかり。悶々と玲王を眺めていると、ひとつの可能性に思い当たった。
『……もしかして嫉妬ですか、玲王サン。私と千切の仲の良さに』
「ちげーし」
紫陽花色の瞳が大きくなる。おそらく図星だ。
フイ、と顔ごと視線を逸らした玲王。すこし不貞腐れてる表情している玲王が可愛く見えてしかたない。思わずニヤける頰を隠しもせずに、玲王の頭を遠慮なく撫でまわした。
『可愛いとこあるねぇ』
「撫でんな。んで可愛いは辞めろ」
『妬かなくて良いんだよ。私は玲王が大好きだから』
「だから違うって言ってるだろ!」
『照れなくて良いんだよ』
「話を、聞け!!」
言いながらも無抵抗な玲王。おそらく玲王なりの照れ隠しなんだろうな。
「……狡いな、お揃い。いいとこ玲王に取られちゃったけど、千切って意外と手が早いよね。」
「お前らがチンタラしてる内に、俺が掻っ攫う計画なもんで」
「さすが赤豹。まあ、負けないけどね」
▼「凪誠士郎 危機一発」
無気力に見えて腹奥で計画立ててる選手。甘え上手は緻密に作り上げた演技の時が多い。御影と共犯の時もあるが、譲る気はない。遠慮なしに会話に割り込んだりする勇者。自分意外との誰かの“痕跡”が付いていると爆発しかねない。
▼「御影玲王 危機一発」
圧倒的頭脳派の思慮深い選手。着々と外壁を囲みながら、虎視眈々と絶好のチャンスを狙っている。凪と共犯の時もあるが、同じく最終的に自分の物にするべく奮闘中。自分の知らない所で秘密を共有していると爆発しかねない。
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テディ - ひまさん» 最高の小説なんて嬉しすぎるお言葉…大感謝です、ありがとうございます。単純なので褒められるとやる気爆上がりします!更新頑張ります〜!! (2023年3月6日 19時) (レス) @page9 id: cd440b7134 (このIDを非表示/違反報告)
ひま - 小説見あさってたら最高の小説を見つけてしまった…めっちゃ続き楽しみです!更新頑張ってください! (2023年3月5日 21時) (レス) @page9 id: 34d7bd651a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テディ | 作成日時:2023年2月23日 15時