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『なっっにしてんのカイザーさん』
「消臭」
『香水で？ そんな豪華なのは消臭って言わないよ？』
「(クソ唆るな、怒った顔も。ぐちゃぐちゃに泣かせてたらどんな顔をしてくれる？)」
跳ね上がって腕から抜け出す。毛を逆立てて威嚇する猫の如くカイザーさんを睨みつける。すると、恐ろしいほどの美貌が微笑みを返してきた。
世の中の女性が一発で堕ちそうなほどの艶やかな笑みは、今の私には悪の大魔王の嘲笑にしか映らないから。自分から漂う強烈な薔薇の香りに、ぐっと眉間に皺が寄った。
『なんのつもりなの…』
「俺からの褒美だ。いつも雑用ありがとう、子猫チャン」
『嫌がらせの間違いでしょ！？』
言って、くるりと踵を返してひらひらと手を振るカイザーさん。私の腹から出した渾身の叫びは届かなかったらしい。なんか怒りを通り越して呆れてきた。それすら通り越してむしろ感心すら湧いてきた。
扉が閉じた瞬間に、大きく息を吐き出した。なんか、もう…考えるの止めよう。
「(俺に染まっておけばいい。お前の全ては、何れ俺のモノにするからな)」
カイザーさんが去った後、黙々とトレーニングルームの掃除を続ける。乙夜とカイザーさんの所為でいつもより余分に疲れた。出来ればもう誰も来ないで欲しい。そんなマネージャー有るまじき事を考えた私への罰なのか、次の瞬間には扉が開いていた。
「あ、Aさん？ お疲れ様です」
大きな瞳をパチリと瞬かせてた選手、潔世一。青い監獄で希少な素直で良い子。因みに氷織もその数少ないうちのひとりだ。私を見た瞬間にぱあっと笑顔を咲かせた潔に無条件反射で抱きついた。
『潔…！』
「わっ！？ …どうしましたAさん？」
『色々あったんだよ〜』
「色々って………、は？」
選手に会いたくないとか言ってごめんなさい。潔なら大歓迎です。
驚きながらもしっかりと受け止めてくれた潔。ぎこちなくだけど背中に手を回してくれた。そんな優しすぎる潔は、言葉を止めて、急に私を引き離して力強く両肩を掴んだ。見たことない剣幕だった。
口を壊れた自動ドアの様に開けては閉じてを繰り返したり、眉間に皺を寄せて渓谷を生み出したり。その後も百面相をした潔は、最終的に物凄く不機嫌そうな顔に落ち着いたようだ。
「…………Aさん、あの……それ、カイザーの…」
『ああ…ついさっき超超超超不本意ながら浴びせられた』
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テディ - ひまさん» 最高の小説なんて嬉しすぎるお言葉…大感謝です、ありがとうございます。単純なので褒められるとやる気爆上がりします！更新頑張ります〜！！ (2023年3月6日 19時) (
レス) @page9 id: cd440b7134 (このIDを非表示/違反報告)
ひま - 小説見あさってたら最高の小説を見つけてしまった…めっちゃ続き楽しみです！更新頑張ってください！ (2023年3月5日 21時) (レス) @page9 id: 34d7bd651a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：テディ | 作成日時：2023年2月23日 15時
