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.城の崎にて【志賀直哉/鈴凛】 ページ8

背中に刺さるような痛みを感じて目を覚ました。

周りは鬱蒼と木が茂り、電灯は見当たらず、普段の街並みに比べ暗かった。空に浮かんだ満月の光のお陰で、周りに人がいると分かった。また、どこか遠くに水の音もして、それまで滞在していた都会とはかけ離れた場所へ飛ばされたことを理解する。

嗚呼、又、何か異能にでも巻き込まれたか。と、異能の使用把握に神経を集中させる。別段珍しい事でもなかったため、冷静でいられた。


「は、なんだ、これ。」


思わず、口から言葉が漏れる。
普段感じる異能とは違う、何かを感じる。更に神経を集中させれば、それには二つの種類があることが分かった。

異能の種類によって細分化された? いや、そうではない。異能の反応は別にある。それならば、何か特別な異能に反応している? それも考えにくい。複数箇所で同時に起こることがある。
一回一回のなにかが連続的に使われる反応と、前者とも違うなにかが継続的に使われる反応。
前者は技の系統だろうか、戦闘の際に使うものと似ている。異能では珍しい方だ。
後者も偶に途切れるあたり、常時発動ではない。
恐らくだが、前者の反応と呼応するように反応しているため、何か力を使ったものを戦闘に用いているか、身体強化だ。かと言って、戦闘中に身体強化を切るような事はない。ポートマフィアの芥川のタイプのような、異能が武器になっているのだろう。

トン、と肩を叩かれたのに思わず肩を跳ね上げ、うわっ、と声が出た。すると作り笑いのような、小馬鹿にするような笑い声が後ろから聞こえる。


「・・・・・・なんだ、ドストエフスキーか」


振り返れば、胡散臭い笑みを浮かべた青年が立っていた。
白の寝間着のような服に皺は無く、髪にも寝ぐせは付いていなく、又焦ったような所も見受けられない。いつも通りの表情と雰囲気を浮かべていた。
それが妙に気味悪く、眉間に皺が寄る。


「・・・・・・これも、お前が脱獄するため考えた作戦か?」


そう問いかければ、その冷静さを欠くことなく、

「いえ、何かしらに巻き込まれたのでしょう。ですが、脱獄する手間は省けましたね。」と飄々と答える。


「組織で飛ばされたのか?」
「ええ、そうでしょう。他の方もいますよ。」


そう言われ、ふと周りを見渡すと、否が応でも目に飛び込む白装束二人と、白スカート。もう一人、如何にも宗教といった、胡散臭い目立つ服装をしていた奴がいたはずだが、見当たらない。

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魑魅 零(プロフ) - 更新しました (3月8日 13時) (レス) id: 9560c26e60 (このIDを非表示/違反報告)
魑魅 零(プロフ) - 更新します (3月8日 13時) (レス) id: 9560c26e60 (このIDを非表示/違反報告)
白井直(プロフ) - 更新しました! (12月23日 9時) (レス) id: 97d9ce38f9 (このIDを非表示/違反報告)
白井直(プロフ) - 更新します! (12月23日 8時) (レス) id: a16c2d859c (このIDを非表示/違反報告)
朝宮藍良@スランプ中(プロフ) - 更新しました・・・! (12月22日 15時) (レス) id: 25ee4b6236 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:迷い犬の鬼殺奇譚参加者一同 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/BNGUKMT/  
作成日時:2023年10月24日 17時

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