.得意分野【斑樹夜霧/魑魅零】 ページ38
『異能力じゃないならこの現象はなんなんだ』
身体に付いた蜘蛛を、噛まれないように気を使いながら払い除ける。
全く、イライラする。細かい作業はもとより好きではないし、そもそも私は前線を張るような柄でもないのに、何が嫌でこんな目にあわないといけないのか。
「先程話した通り血鬼術です」
正直、先程の発言は誰かに問うたというよりかは独り言に近かったのだが、まぁ返事が返ってきて嫌な気はしない。
「で、その血鬼術とやらを解除するにはどうしたらいいんだ?」
佐藤が更に踏み込んだ。坂口先輩は、情報を一度に詰め込み過ぎてパンクしそうなのか、寝不足がたたったか、頭を抑えながら佐藤の方を見る。
そんなにキツイなら酷使しなければ良いものを。
ふゥと煙を吐き出す。
とても気分がいい。今なら鬼だろうが何だろうが何でも倒せてしまいそうだ。
そうだ。このまま突っ込んでしまおうか。それも楽しそうだ。
「鬼の始祖…、鬼舞辻無惨を殺せばいいようですね」
「なんだ。俺たちの得意分野じゃないか」
『得意分野と言うか、もはや本業だろ』
「まあまあ…。すべきことが分かりましたね」
言い合いに発展しそうな空気をルーナが収める。うん。いつもの光景だ。…いや、佐藤はそんなキャラじゃないか。ま、なんでもいい。
『ああ。取り敢えずあの明らかな邪魔者を殺るんだろ』
キラリと視界の端で何かが光る。蜘蛛の糸の水滴。この山はアイツらの縄張りってわけか気に入らない。
蜘蛛に毒って聞くのだろうか?まァ毒というか一酸化炭素だが。そもそも相手は蜘蛛ではなく鬼か。
効かないならまずいな。もう筋力もほとんど残っていないからデスクワークだっていうのに、近接戦なんてされたら一瞬で殺されてしまう。
「ええ。鬼舞辻無惨の情報はあの鬼からは得られないでしょうし」
『でも殺れるのか?今、前線張れるような異能力者はいないが』
事実だ。非戦闘異能かバフ要員しかいない。
「俺を誰だと思ってるんだ?張れるに決まってきるだろ。任せとけ」
何を言っているんだか。
ま、佐藤が張るなら私は見ているだけでいいか。私の異能はガスマスクでもしていない限り味方にも害のあるものだ。余程ピンチにでもならない限り封印しておこう。
ま、佐藤なら毒ガスをまいてもケロッと帰ってきそうだが。
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魑魅 零(プロフ) - 更新しました (3月8日 13時) (レス) id: 9560c26e60 (このIDを非表示/違反報告)
魑魅 零(プロフ) - 更新します (3月8日 13時) (レス) id: 9560c26e60 (このIDを非表示/違反報告)
白井直(プロフ) - 更新しました! (12月23日 9時) (レス) id: 97d9ce38f9 (このIDを非表示/違反報告)
白井直(プロフ) - 更新します! (12月23日 8時) (レス) id: a16c2d859c (このIDを非表示/違反報告)
朝宮藍良@スランプ中(プロフ) - 更新しました・・・! (12月22日 15時) (レス) id: 25ee4b6236 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:迷い犬の鬼殺奇譚参加者一同 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/BNGUKMT/
作成日時:2023年10月24日 17時