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.呑気な迷子たち【澁澤瑠音/キューブ】 ページ25

鬱蒼とした森、暗い暗い夜の獣道……

「全く……いつかの日を思い出すわね」

突如として見知らぬ場所に送り込まれたアタシたち。探偵社社員たちと共に山を抜け出せないかと歩き続けてはいるものの、一向に山頂にも麓にも辿り着けないでいた。楓が白銀を見つけてきたけれど、ヨコハマ中の異能者が此処に送り込まれて来たのだろうか?
何にせよ、体力が尽きる前に人里に辿り着かねば……

「うぅ、お腹が空いてきちゃいました……」

同行していた賢治が呟いた。
それはアタシも同感だ。一応山中の草やら虫やら食べられるものはあるけれど、瑠音が確実に嫌がるからそれを食べるような状況になるのは避けたい……

「……そういや通販の昆虫食とかで食べられるタランチュラなんてものを見かけたことがあるけれど、コイツらは食えるのかねぇ?」

アタシの足元に落ちた蜘蛛を拾い上げ、与謝野が突拍子もないことを云った。

「……やめときな。アタシに散々噛みついて来てるけど、異能の効果で跳ね返った毒で倒れてるし……毒蜘蛛だとしても、瀕死になればアンタの異能で治せるか?」

「そこまでして食べたいって訳じゃないよ」

「そうですよ!食べるならあそこの山菜を摘んだほうが美味しいです!」

「お前も相変わらずだね」

危機的状況のはずなのに、探偵社のヤツらといると妙に気が抜けるというか……彼らはどうしてこうも楽観的なのだろう。この明るさがあったからこそ、鼠や猟犬に立ち向かえたのだろうけど。

「そういや瑠音……じゃない、今はフランの方だね。ずっとフランのままだけれど、何かあったのかい?」

「蜘蛛がうじゃうじゃいるし暗くて怖いんだとさ。アタシもこんな森の中で虫に噛まれまくるのなんて御免蒙りたいけど、瑠音が戻ってくる気配もないし」

「全く、甘やかすのは程々にしないと」

……こんな調子で大丈夫なのだろうか?

.鬼のいる世界【斑木夜霧/魑魅零】→←.城の崎にて【志賀直哉/鈴凛】



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魑魅 零(プロフ) - 更新しました (3月8日 13時) (レス) id: 9560c26e60 (このIDを非表示/違反報告)
魑魅 零(プロフ) - 更新します (3月8日 13時) (レス) id: 9560c26e60 (このIDを非表示/違反報告)
白井直(プロフ) - 更新しました! (12月23日 9時) (レス) id: 97d9ce38f9 (このIDを非表示/違反報告)
白井直(プロフ) - 更新します! (12月23日 8時) (レス) id: a16c2d859c (このIDを非表示/違反報告)
朝宮藍良@スランプ中(プロフ) - 更新しました・・・! (12月22日 15時) (レス) id: 25ee4b6236 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:迷い犬の鬼殺奇譚参加者一同 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/BNGUKMT/  
作成日時:2023年10月24日 17時

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