勢い(YOU) ページ5
紙を見て一瞬なにがなんだかわからなくなったけど、唯一分かっていることは、この話しかけてくる子とその後ろにいる白い子以外の小さな子たちが、身を寄せ合って寒そうにしていることだった。
このまま引き取ろうなんて、そんな安易な決意をした訳じゃない。ただ、寒そうにしている子供達を見ているのがすごく辛かったから。
『おねえさんのおうちに行こうか』
気づいたらそう口走ってしまった。
きっと、知らない人にはついていっちゃだめ、という教えを守ろうとしているのだろう、わたしを観察する様にまじまじと見てくる白い男の子。
いや、その後ろの小さな子たちもみんな疑いの目でわたしを見ている。当たり前だ。わたしがこの子たちの立場でも急に話しかけてくる人には遠慮のない疑いの目を投げかけていただろう。
でも話しかけてくる長男だけは違った。
？「ぼくっ、弟たちを守らなきゃいけないんです、、この天気の中駅にいたら、弟たちが風邪を引いちゃうんです、だから、迷惑はかけないから、明日には、絶対、出ていく、からっ、
今日の夜だけ、おねえさんのおうちでこの子達をあっためてもらえませんかっ」
ずっと我慢していた涙がひとつ、ほっぺに伝ったのが見えた。
嗚咽でうまく話せないながらも、必死で弟達を守ろうとしているこの子の責任感に心を打たれた。
絶対に守ってあげたい。そう思った。
『うん、わかったよ。君の気持ちはよくわかった。
このままここにいても体が冷えてしまうだけだから、早くうちに行こう。絶対に君たちに嫌な思いはさせないから。約束するから。』
いきなり初対面の女の家に行くなんて、この子たちも不安だろうと思ったけど、わたしはここで見捨てるなんて選択肢はとれなかった。
だから、出来る限り安心させられるように、子どもたち全員の目を見て、誠意を持って彼らにこう伝えた。
『おねえさんのおうちにおいで。もう大丈夫だよ。おねえさんが、君たちを守るから。』
これが、わたしたちの、最初の出会い。
一年後、このこどもたちがわたしの宝物になっているなんて、思いもせずに引き取った、ある春の夜のお話。
わたしはもうこの時点で、彼らを引き取る覚悟を決めていた。
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オンニ(プロフ) - すごく面白かったです！執筆大変だと思いますが、楽しみにしています(*´ω`*) (2022年2月6日 16時) (
レス) @page36 id: e5793f4187 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - チェヨンさん» ありがとうございますっ//// (2020年8月12日 23時) (レス) id: c5379603d0 (このIDを非表示/違反報告)
チェヨン - エグいいっ////nice (2020年8月9日 6時) (レス) id: 63cd4095fc (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - ちぇよちゃのえくぼさん» わああ！楽しんでいただけててよかったです！！かわいすぎてほんと食っちゃいたくなりますよね！！！！ (2020年7月15日 12時) (レス) id: c5379603d0 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇよちゃのえくぼ - ひらがなててとぐうたんの破壊力えげつないです、、。おいっ！じみんしぃ！なんなんだお前は！かわいすぎるだろ！！！←← (2020年7月15日 0時) (レス) id: aef3ed9d84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかる | 作成日時：2020年5月20日 0時
