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6 , 海月 ページ15

水族館は嫌いだ。
水族館に行くと、いつも海に溺れて行くような気分になる。
何故か苦しくなって、呼吸の仕方を忘れてしまう。
身を守る術の無い、か弱い魚になってしまう気がする。

でも、海は嫌いじゃない。
水槽と違って終わりが無いから、どこにでも行ける気がする。
いっそ深海まで落ちて、明日が来なければ良いのに、なんて。
夜の海に沈んで、そして。

「……」

でもこんなのただの妄想だ。
実際には溺れてる訳じゃないし、海だって辿って行けばいつか終わりが来る。
わかっていても、考えてしまう。

「明るい朝が、来なければ良いのに」

朝は、嫌いだ。
今日も生きてるんだ、って実感してしまうから。
雪も、嫌いだ。
雪は音を吸収して静かになるし、『お父さん』を思い出す。
銃も、嫌いだ。
帽子も、銀髪も緑眼も嫌いだ。
煙草も嫌いだ。

「プーロ」

低い声が私を呼ぶ。
今では世界でたった一人の大事な人。
絶対に守らなきゃいけない人。

「なあに、アイリッシュ」

「もうすぐ仕事だ。…ほら、前に話してた水族館でやる取引」

「ああ、あれね…あのヒトと行く……」

「…チッ、そうだ」

私は重たい腰を持ち上げた。



私の嫌いなものの集まった、地雷の塊の様な人。
いつか絶対に殺すと決めた人。

「……ジン。」

同じ任務に就くなんて、本当は吐きたくなるくらい嫌だ。
早く殺してやりたい。
このヒトが『お父さん』にしたのと同じように、眉間に拳銃を突き付けて、遺体を灰も残らないくらいに燃やして。

「随分と機嫌が悪いじゃねぇか…プーロ」

「…そうかしら。…貴方と居るだけで吐き気がするし、殺意が沸いてくるから、そうなのかもしれないわね」

まあ、それもいつものことだけれど。
とにかく私は、この男のことがすこぶる嫌いだ。
きっとこのヒトが死ぬ時は、私が目の前で拳銃を握っていることだろう。

「約束の時間までは余裕があるからな……好きにしろ」

「…ええ」

自由時間をもらって、私は真っ先にクラゲの展示ゾーンに向かう。
私とクラゲはどこか似ている。
何かを考えた訳でも無く、流されるままに『お父さん』に連れて行かれて組織に入った私。
水に漂うままに糧を得るクラゲ。
…何も変わらないじゃない。
アイリッシュの方が考えて動いている。

私も、『お父さん』と一緒に任務に行っていれば良かったのだろうか。
何かを変えられたのだろうか。

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設定タグ:名探偵コナン , 短編
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マリコ - 名探偵コナン短編集は工藤新一君の弟設定と世良真純さんに恋をしてそれから歩美ちゃんより幼い小柄男ヒロインを幼児化してそしてヒロインが真純さんに『好き』って気持ちを答えるお話を見せてください。 (2019年10月20日 23時) (レス) id: fa99c5701b (このIDを非表示/違反報告)
マリコ - 『歩美ちゃんの妹とコナン君に恋と正体の秘密を守ると告白する』って感じですかねですね?はい、その通りです。赤井家と絡めれば宜しいでしょうかですね?はい、もちろんOKです。 (2019年7月22日 16時) (レス) id: 1045ea89cf (このIDを非表示/違反報告)
マリコ - 名探偵コナン短編集は吉田歩美ちゃんの妹設定と江戸川コナン君に恋をしてそれから志保ちゃんと新一君の正体もヒロインと世良真純さんと領域外の妹さんと羽田秀吉さんも秘密を守ってそしてヒロインがコナン(新一)君に『好き』って気持ちを答えるお話を見せてください。 (2019年7月21日 23時) (レス) id: 4520529d99 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Nir | 作成日時:2019年4月6日 23時

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