【ネタ】降谷零成り代わり

Nightmare !! ページ8

『諸伏景光の生存は今後の展開を大きく左右する可能性があります。よって不可。諸伏景光を殺害します。』

『よって不可。』『不可。』『殺害します。』『可能性があります。』『生存は』
『＿＿諸伏景光を殺害します。』

繰り返し流れる"大人"の景光が死ぬ場面。
＿＿"大人"の私が階段を駆け上る。
＿＿屋上にたどり着く。
＿＿銃声が響く。
＿＿ライがこちらを見る。
『裏切りには制裁を………＿だったよな』
＿＿景光に駆け寄る。
＿＿胸に耳を押し付ける。心音は聞こえない。
『心臓の音を聞いても無駄だ…死んでるよ…』
＿＿思わず悪態をつく。
『拳銃で心臓を…ブチ抜いてやったからな…』

＿＿＿＿心がちぎれる音がした。

それから私はまた廃ビルの前に戻り、ひたすら階段を駆け上る。
何度繰り返しても"大人"の景光は死んでいた。
まるで悪夢のようだ。
死んでしまった心は未だに暖かい景光の遺体に触れても動かずに、ドロドロとした黒い感情を包み込む。
(コレは、悪夢で、現実じゃない。＿＿コレは、悪夢で、現実じゃない。)
必死に耐える。
(勘弁してくれ……。私は精神図太くないんだよ。＿＿コレは、悪夢で、現実じゃない。)
必死に自分を押し付ける。
(大丈夫……。我慢すれば……もう少し。＿＿コレは、悪夢で、現実じゃない。)

……………ああ、やっぱり駄目だ。私は彼(降谷零)には成れない。

どれだけ姿が変わっても、私は平凡で、彼ではないのだから。

私は【****】なんだから。

いつの間にか忘れてしまっていた"前"の名前。
フッ、と笑う。
私はバーボンの皮をかぶり直した。
「＿＿…やはり彼は鼠でしたか。失礼、少し取り乱してしまいましたよ…」
ライは驚いたような顔をした。
気にしない。
「行きましょう、ライ…始末は僕が後でやっておきますから」
ライが呆気にとられている。
気にしない。

その瞬間、世界が歪んだ。



＿＿Nightmare!! ＿＿＿

I can't die.→←You're my ray !!

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