【ネタ】降谷零成り代わり

Dream of a liar !! ページ48

「＿＿虚戸ちゃんの夢リアルすぎ！」
「うん。自分でもそれは思う」
萩原に同意して頷く。
いやー、こんな現実的な夢久々だったなぁ！
【………………。】
おや……？何か言いたげだな降谷零。
良いよ、言ってみなさいよ。

【……虚戸は所詮、組織に入る為だけの顔だから、まず家を出入りするまで親しい友人は作ってない…否、作れる筈がないんだ】
(…つまり、何が言いたいのかな？)

【予言も夢も、全部作り話だろ、これ。】


「＿＿＿せーかい」
「ん？虚戸ちゃん何か言った？」
「いや、なーんにも。それより、萩原さんはこの夢を信じる？」
「んー……うん。信じる。めっちゃリアルだし、予知夢とかだったら俺絶対死ぬもん」
「……そっかぁ。ありがとね、萩原さん」
私は萩原に笑顔を向けた。
とりあえず、今回はこんな感じで良いだろう。
きっと次に会うとしたら、それは11月7日だから。

「じゃ、萩原さん。これからわたし、バイト行かなきゃだから……」
「え、マジで！？長い間引き留めちゃってごめん！」
「良いよ〜。また一緒にお話しようね〜」
「おー！職探しも頑張れよ！」
「それは一言余計。さいならー」
「じゃあな〜。」


「………ふぅ。」
萩原が見えなくなったところで、やっと息を吐く。
萩原は全体的にアホっぽいが、なかなか鋭いところがあるから侮れない。アホっぽいからこそ、話したくないことでも『話してもいいかな』なんて思いも出てくるのだ。
(まぁ、秘密をバラす気は毛頭無いけどね)


『ほら、『予言は人に伝えた時点で予言じゃなくなる』って言うじゃん？』
今日萩原に言われてハッとした。
私のやろうとしている『救済』という行為は本来あるべき未来を無理やりねじ曲げるものだ。
もしかしたら、四人を生かすことにより別の誰かが死ぬかもしれない。
いわゆるバタフライエフェクトというヤツ。
それでも四人、特に景光にだけは生きていてほしいと思うのは、自己中心的なんだろうか。
きっと私は、見知らぬ他人100人と同期の4人どちらかの命を選ぶとしたら、迷いなく4人を選ぶ。
その他人にも家族や大切な人はいるだろうし、死んで当然って訳でもないと思う。

(＿＿自己嫌悪で嫌になりそうだ。こんな難しいこと、考えたくもないのに。)

といっても、私は引き返す気なんて1ミクロンもないけど。
景光の救済については１１歳の時から考えてたんだ。諦められる訳がない。
もう、考え続けて１０年経つ。

(＿＿絶対に、救けてみせる。)

About ****→←It's carefully !!OK? Hagiwara .

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す