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「…素敵。」 ページ6

ふらふら、と覚束ない足取りで地面に着地した。
それでも時折地面に膝をついてしまいそうなほど足に力が入らず、足かっくんされているような感覚だ。
ただ一つ学んだことがある。バイクなんて二度と乗らない。

「龍志さん、ちわっす!」

あと少しで命を失いそうだった先ほどの少年は、今や爛々とした笑顔でリュウジサンとやらに挨拶をしている。
普通だったらもうちょっとビビらないかな?
私だったら二度と道路を歩けなくなりそうだよ…トラウマで。

カランカラン、と金属音が響いて、カフェのような扉が開く。
…ってか、ここカフェだ。
ホワイトブランチカフェって書いてあるもん。

その建物は小さくも可愛らしいような清潔なような、簡単にはデザイン出来なさそうな造りだった。
建物全体はおそらく木材でできていて、白と茶色のベース。あたりには本物の葉っぱが生い茂っている。
おそらく、アイビーと呼ばれる種類の蔦だ。
通常蔦と言ったら一面を覆い尽くしてむしろジャングルを連想させることが多いが、ここの蔦は多すぎず少なすぎず、自然といった感じを醸し出していた。
ベランダには様々なプランターが置かれていて、そこから色とりどりの花が顔をのぞかせている。

透明な硝子戸を引いて中へ踏み入れば、白で色付けされた木材の椅子と机。
あちこちに大きめのプランターが飾られていて、外とは違いこちらは観葉植物が多い。
端っこには大きいアンティークの古時計。
その隣には本棚が置いてあり、緑や茶色の古そうな背表紙をした本たちが所狭しと並んでいる。
机の一つ一つにランプが置いてあり、それ以外の明かりはカウンターにしかない。
ショーウィンドウもレジも、そこにあるものすべてがアンティークに象られていて、思わず感嘆の息を零した。

…こんな世界、実在したんだ。

「…素敵。」

まるで物語の一ページから抜き出したようなその風景に、私はその一言以外何も言えなくなった。

「…俺のセンスを理解してくれるなんて、なかなかじゃねーか。」

突然話しかけられて少しだけ心臓が跳ねる。
すぐに振り向くと、私の頭三つ分ほど高い影が立っていた。

「…見たことねー顔だな。お客さんか?」
「…え…ぁ、…」

「ひでぇな、マスター。」

お客さんなのかどうかわからなくて答えるのに手間取っていると、奥の方から声が響く。

「俺らは客じゃねぇのか?」

金髪に朱のメッシュ。
整った顔立ちに、鍛えられた肉体。
恐ろしいほど似合うアクセサリー…と、獰猛な笑み。

…じゃあ、→←バイクは嫌い。



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作品ジャンル:ラブコメ, オリジナル作品
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∧∧ネコミミ∧∧@玉ねぎ@オニマス(プロフ) - にゃん舞姫さん» 申し訳ございません!今更コメントに気付いてしまい本当申し訳ない限りです。にゃん舞姫様には本当にいい読者様に恵まれたといつも感激しております。本当にありがとうございます。どうか、これからもよろしくお願いします。本当にありがとうございます! (2014年7月1日 0時) (レス) id: ce568da1b2 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん舞姫(プロフ) - パンドラダイアリー・一冊目おめでとうございます!!とっても、面白かったです><勿論二冊目も読ませていただきます。楽しい時間をありがとうございました!! (2014年4月29日 15時) (レス) id: 201acc661a (このIDを非表示/違反報告)
うにゃ@FUNASSIIIIIIIIIIII(プロフ) - にゃん舞姫さん» 母さんはおいしいと言って普通に食べてましたがね。まるで別世界に行ったような地獄な感覚でした。 (2014年4月7日 10時) (レス) id: 84b680cc3c (このIDを非表示/違反報告)
にゃん舞姫(プロフ) - 蛙ってwwそれもし食べてたら・・・(p・Д・;)アセアセ、お母さん凄すぎます!! (2014年4月6日 0時) (レス) id: 201acc661a (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - にゃん舞姫さん» いつも読んでくれてありがとうございます!作者も偏食です。この前はお母さんに騙されて蛙食わされそうになりましたYO!そういわれると本当に頑張れます、感謝! (2014年4月5日 18時) (レス) id: 5f12e20803 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うにゃ | 作者ホームページ:   
作成日時:2013年11月29日 22時

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