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「どう、なったの...?」 ページ45

目が覚めるとそこは暗闇だった。
瞼すら開いていなかったということに気づくのに数分がかかっただけだけど。

指一本動かせない。
強ばっているのか、まるで骨が反応しないような、変な感覚がする。

瞼が重い。
ピクリ、と自分の瞼が反応するのだけはちゃんと感じれた。
だけどなかなか開かない。まるで誰かに接着剤で瞼をくっつけられたみたい。

「...A?」

あ、この声知ってる。
誰だったっけ。
でも考えられないな。頭が機能してないみたい。
でも懐かしいような声だなぁ。

もう一度力を込めれば、ぴくりと指が反応がする。
体が全部もどかしすぎて、もうむずむずしてきた。
実はむずむず脚症候群を持ってるんだ。実はかなりつらいよこれ。まるで虫が這ってるような感じで、どうしても背伸びしたくなるんだ。

「起きたのか?」

そうか、声なら出せるかも。
と、希望を抱いてみたけど、声が枯れているような、声帯を取り除かれているような...いや、声帯は残ってるけど。
でも、吐息しか出てこない。

あ、
少しだけ瞼が軽くなった気がする。

ゆっくりと重たい瞼をあける。
ぎりぎり閉じられていると思われそうなほどしかあけられない。

まるで泣いていたかのように、視界がすごく滲んでぼやけている。
でも白い天井っぽいものしか目に入らない。
あ、こんなの、なんかどこぞの映画で見たことがある気がする...。

「...おはよう」

見えたのは金髪の中に目立つほどの赤。
あぁ、これは...と認識した途端に、動かなかったはずの唇が自然と笑みを浮かべた。

「...りゅ、じ...」

掠れた声は、まるで初めて聞く他人の声を聞いているようだった。
誰の声だろうこれは、と一瞬思ったけど、紛れもない自分の声以外はあり得ない。

「気分は?」
「...だる...」

ぽつりと呟けば、龍志は優しそうな笑みを浮かべた。
ベッドサイドに腰を落ち着けている龍志はずっと私の傍にいたのか、布団越しでもぬくもりを感じた。
そのぬくもりが私をすごく安心させてくれて。

「...私...どぅなってた...?」

ようやく声の掠れが引き始める。
その代わりに、痛いほどにのどの渇きを覚えた。

それを見逃さない龍志は、すかさず私に水の入ったコップを渡す。

「お前、すげぇ長い間寝てたぞ。」
「嘘...」

冷たい水が喉を走って食道を通るのを感じた。すごく心地いい。
体が思うように動かなくてつらい。コップを持つのでさえ一苦労だ。
ベッドに座り直すのに痛みさえ感じる。

「どう、なったの...?」

寝ている間にすべてが終わってしまっていたのか。→←「俺は体だけは頑丈なんだ。」



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作品ジャンル:ラブコメ, オリジナル作品
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∧∧ネコミミ∧∧@玉ねぎ@オニマス(プロフ) - にゃん舞姫さん» 申し訳ございません!今更コメントに気付いてしまい本当申し訳ない限りです。にゃん舞姫様には本当にいい読者様に恵まれたといつも感激しております。本当にありがとうございます。どうか、これからもよろしくお願いします。本当にありがとうございます! (2014年7月1日 0時) (レス) id: ce568da1b2 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん舞姫(プロフ) - パンドラダイアリー・一冊目おめでとうございます!!とっても、面白かったです><勿論二冊目も読ませていただきます。楽しい時間をありがとうございました!! (2014年4月29日 15時) (レス) id: 201acc661a (このIDを非表示/違反報告)
うにゃ@FUNASSIIIIIIIIIIII(プロフ) - にゃん舞姫さん» 母さんはおいしいと言って普通に食べてましたがね。まるで別世界に行ったような地獄な感覚でした。 (2014年4月7日 10時) (レス) id: 84b680cc3c (このIDを非表示/違反報告)
にゃん舞姫(プロフ) - 蛙ってwwそれもし食べてたら・・・(p・Д・;)アセアセ、お母さん凄すぎます!! (2014年4月6日 0時) (レス) id: 201acc661a (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ネコミミ∧∧@元うにゃ(プロフ) - にゃん舞姫さん» いつも読んでくれてありがとうございます!作者も偏食です。この前はお母さんに騙されて蛙食わされそうになりましたYO!そういわれると本当に頑張れます、感謝! (2014年4月5日 18時) (レス) id: 5f12e20803 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うにゃ | 作者ホームページ:   
作成日時:2013年11月29日 22時

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