「ッ…死にたくないよっ…！！！」 ページ36
ベランダの手すりに手をかけた。
どくんどくんと心臓の音がうるさい。
手が引き攣れるような恐怖。むしろ少しだけ痛い気がする。
全身の血の気が引いて、手が冷たい。
恐怖でお腹がいたくさえなってきた。
じわりと手に汗がへばりついてくる。
まだ地に足がついているのに、がっしりと手すりを握りしめていなければ死ぬかもしれないという恐怖に苛まれる。
あぁもう、気絶してしまいそうだ。
ぎゅぅ、と唇を噛む。痛みなんて感じもしない。
目を見開いたまま、私は手すりを乗り越える準備をした。
やだ、やだ、怖い。
駄々をこねる心の声に、叱咤する余裕もない。
寧ろこの心の声にすべてを委ねて泣き叫びたい。
怖くて涙さえ出てこない。
「っぁ、…」
声も、わずかしか出てこない。
今なら、怖いと呟いても皆に聞こえないかなぁ。
でも、一度口にしたら負けてしまう気がする。
龍志、龍志。
真下を見てみた。
あそこに龍志がいる。大丈夫。死なないから。絶対死なないから。
言い聞かせても体中の震えは止まらなかった。
もういやだ。泣きたいのに。
震える体で、私は足を手すりにかけた。
手すりを握りしめ、体の重心を置く。
そのままベランダの外側にわずかにあるスペースに、両足を置く。
そうすればベランダの外側に出られる。
そんなシンプルな行動なはずなのに。
全身が冷たい。氷が体を滑っているようだ。
がちがちと歯が震える。
冷汗が顔を伝っていくのを感じた。
目が見開いたまま閉じられない。
じわり、と涙が少しだけ出てくれた。
手に重心を置き、ゆっくりと両足をスペースに届かせる。
地に足がついていない恐怖で、私の足は慌てて宙を蹴り続ける。
もうすぐ、だから自分を落ち着けようとするけど体が硬い。
思うように動かない。
そして――
「ッ、ゃぁあっ！！」
ずるり、と私の手が汗で滑った。
まだ地に足がついていなかったため、私の命綱は両手だけだった。
だけだった、のに。
目を見開く。
今しがた起こったことが信じられないというように。
時が止まった感触だった。心臓が止まった気がした。
まるでスローモーションのように、私が宙に投げ出される。
やだやだやだやだやだやだやだっ…
四肢をばたつかせる。足が何かを蹴って凄まじい痛みが走った気がする。
恐怖でもう死んでしまいそうだ。心臓が早鐘をうっている。
もう体全身に感覚がなかった。
それでも、目を見開き私はただ一心に思う。
死にたくないッ…
「ッ…死にたくないよっ…！！！」
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∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧@玉ねぎ@オニマス(プロフ) - にゃん舞姫さん» 申し訳ございません！今更コメントに気付いてしまい本当申し訳ない限りです。にゃん舞姫様には本当にいい読者様に恵まれたといつも感激しております。本当にありがとうございます。どうか、これからもよろしくお願いします。本当にありがとうございます！ (2014年7月1日 0時) (
レス) id: ce568da1b2 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん舞姫(プロフ) - パンドラダイアリー・一冊目おめでとうございます!!とっても、面白かったです＞＜勿論二冊目も読ませていただきます。楽しい時間をありがとうございました!! (2014年4月29日 15時) (レス) id: 201acc661a (このIDを非表示/違反報告)
うにゃ@FUNASSIIIIIIIIIIII(プロフ) - にゃん舞姫さん» 母さんはおいしいと言って普通に食べてましたがね。まるで別世界に行ったような地獄な感覚でした。 (2014年4月7日 10時) (レス) id: 84b680cc3c (このIDを非表示/違反報告)
にゃん舞姫(プロフ) - 蛙ってｗｗそれもし食べてたら・・・（ｐ・Д・；）ｱｾｱｾ、お母さん凄すぎます!! (2014年4月6日 0時) (レス) id: 201acc661a (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧@元うにゃ(プロフ) - にゃん舞姫さん» いつも読んでくれてありがとうございます！作者も偏食です。この前はお母さんに騙されて蛙食わされそうになりましたYO！そういわれると本当に頑張れます、感謝！ (2014年4月5日 18時) (レス) id: 5f12e20803 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うにゃ | 作者ホームページ：
作成日時：2013年11月29日 22時
