【閲覧注意←】パンドラダイアリー。【妄想オリジナル】

嗚呼、 ページ31

お願いだから消えてよ。
何度も叫ぶ。

消えてよ、
消えてよ消えてよ消えろ――

期待を生むこの心。
ここまで追い詰められた末の彼らの行動。
それを見て期待を生んだこの心。


もしかして、まだやり直せるのかな――


大きくかぶりを振った。
無理だよ。
無理だから。
後戻りなんて出来ないんだから。

だからやめてよ。
もうやめようよ。
淡い期待を持つのは、傷つくだけじゃん。
知ってるじゃん。
なんで

「なんでッ…」

小さく呟いた声は、誰にともなく問いかけた。
なんで私は、今こんなに苦しいんだ。

これから私はついに、楽になれるはずなのに。

罪悪感に苛まれていたんだ。
思えば私は最初から…

最初から、ただ助けを求めていただけなんだ。

――「ふざけないでよ…っ、死ぬつもり！？」...

――「ッ…ふざけんじゃ、ない…」...

――自 殺の手伝いをしてほしい。...

――「…ごめんね…親不孝者で」...

――「私がここまで追い詰められなきゃいけなかった理由って、なんだっけ？」...

――「それらも全部、嘘だった？」...

――「…私が何回、赦してあげたと思ってるの？」...

――「全然笑えねぇんだよ。」...

――「結局そういうことだろ？俺は最初っから一人ぼっちだ。」...

――「幸せを全部、ありがとう」...

――こんなになっても私、まだ愛したりなかったんだ。...

――「…死ぬ以外の選択肢を全部消していったのは、あんたらだろうが。」...

――「…なぁ」...

――私は悪くない――...



――――もしかして、まだやり直せるのかな――.....


あぁ、

気付いちゃった。
気付いてしまった。



私は自分の顔を自分の両手で覆った。
頭の中では気づいちゃった、気づいてしまった、という言葉がぐるぐる。


…ねぇ、気づいちゃったよ龍志。

私が言ってたこと、全部…
全部だよ？ずっと話してきたこと…

馬鹿みたいに叫んだのも
哀れっぽく呟いたのも
一つ残さず全部、そうだったんだ。

せき止めていた感情が、溢れ出す。
堪えていたものが、全部出てきちゃった。

「…どうもありがとう」

皮肉を込めて呟いた。
あんたらのせいで、気づいちゃったじゃんか。

最初から最後まで、この物語はピエロの幕開け。
観客を沸かせるためのものだった。

だって、そうじゃなかったらなんで


なんで


なんで


私の言いたいことは、
最初から最後まで全部一言だった。


――誰か助けて――


まるで、パズルみたいにぽっかり空いていた穴に埋まっていく。
嗚呼、

私に勇気なんてなかったから。→←消えてよ。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す