後戻りはできないんだから。 ページ18
時計が4時半を指し、綺麗な音色が響きだした。
そろそろ支度をした方がいいだろう。
「…いいか？」
「うん、行こうか。」
私は今まで座っていた椅子から腰を上げる。
既に覚悟はできている。あと心配なことは、喋っている間に舌をかまないか、それくらいだ。
「…じゃあバイク乗るけど…」
「………お手柔らかに。」
とりあえず耳栓が必要だなぁ、本当。
バイク音って本当に嫌い。
なんであんなもんつけなきゃいけないの。
頭の中でぶつくさ文句を言いながら、私は手渡されたヘルメットをかぶった。
一応ちゃんとした装着は、龍志が自らやってくれる。
龍志の長くてしっかりした指が、私の肌に触れて擽ったい。
「…よし、じゃあ後ろに乗れ。」
「もしかしたら窒息死させちゃうかもしれないけどごめんね。」
「冗談じゃねぇぞおい。」
小さく笑ってから、私は龍志の後ろに乗る。
そしてしっかりと龍志に腕を回し、力を込めて抱きしめた。
顔をしっかり背中にうずめ、むしろ眠れてしまえばいいという願望を込めながら目を瞑った。
そのすぐ後にバイクは音を立てて振動し、動き出す。
最初はゆっくりだった速度を急に早め、まるでジェットコースターに乗ったような気分だ。
だがジェットコースターも嫌いなので、目が回りそうでもう怖い。
口を固く結んでいなければ、勝手に悲鳴が漏れそうだ。
バイクに振り落とされないようにしっかりと、龍志を抱きしめた。
先ほどのように動揺することはなく、むしろ龍志は少しだけスピードを遅めてくれた。
…あれ、ちょっと優しい。
***
「着いたぞ。」
私のメットを外すなりそういった龍志は、顎で私の住むマンションを指した。
その顔には笑みが浮かんでいて、それを見た私はなぜか笑えない。
代わりに、真顔で頷いて見せる。
どんどん、緊張してきた。
ようやくマスターの気持ちがわかってきた。
うまくできるかな。
うまく伝わるかな。
死んじゃったりしないかな。
…でも、我慢だ。
その気持ちをすべて我慢しなきゃいけないんだ。
だってもう、
後戻りはできないんだから。
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∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧@玉ねぎ@オニマス(プロフ) - にゃん舞姫さん» 申し訳ございません！今更コメントに気付いてしまい本当申し訳ない限りです。にゃん舞姫様には本当にいい読者様に恵まれたといつも感激しております。本当にありがとうございます。どうか、これからもよろしくお願いします。本当にありがとうございます！ (2014年7月1日 0時) (
レス) id: ce568da1b2 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん舞姫(プロフ) - パンドラダイアリー・一冊目おめでとうございます!!とっても、面白かったです＞＜勿論二冊目も読ませていただきます。楽しい時間をありがとうございました!! (2014年4月29日 15時) (レス) id: 201acc661a (このIDを非表示/違反報告)
うにゃ@FUNASSIIIIIIIIIIII(プロフ) - にゃん舞姫さん» 母さんはおいしいと言って普通に食べてましたがね。まるで別世界に行ったような地獄な感覚でした。 (2014年4月7日 10時) (レス) id: 84b680cc3c (このIDを非表示/違反報告)
にゃん舞姫(プロフ) - 蛙ってｗｗそれもし食べてたら・・・（ｐ・Д・；）ｱｾｱｾ、お母さん凄すぎます!! (2014年4月6日 0時) (レス) id: 201acc661a (このIDを非表示/違反報告)
∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧@元うにゃ(プロフ) - にゃん舞姫さん» いつも読んでくれてありがとうございます！作者も偏食です。この前はお母さんに騙されて蛙食わされそうになりましたYO！そういわれると本当に頑張れます、感謝！ (2014年4月5日 18時) (レス) id: 5f12e20803 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うにゃ | 作者ホームページ：
作成日時：2013年11月29日 22時
