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村雨家はナントカ界に代々伝わる名家です。ま、それは別に関係ないのですが、我が家にはひとつのルールがありました。
それは、絶対服従の上下関係です。とても厳しく、上の者にタメ口などきいたら一夜を通して叱られるほどでした。
この上下関係は年齢順で、上の者が一番偉いのです。例え、天国にいる人でも。
それは嫁いでいらした方や動物、物にも当てはまります。
変なルールだなと、ある人には言われました。
「だからまあ、私はおばあちゃんの言うことを聞かなくてはならないのです」
「ええ……Aちゃんの家、厳しいのだね」
「はい。とーっても」
「Aが誰に対しても敬語なのは、その名残でしょ?」
ポリポリのクッキーをこぼしながら乱歩さんが言った。
しかし、クッキーのカスは床に落ちることなくゴミ箱へ運ばれている。
Aちゃんがちょいちょいと指を動かしているので、彼女の仕業だろう
彼女の髪を少しだけ触れるが、カスは落ちることなくゴミ箱へ運ばれた。
「Aちゃんのそれって、ほんとになんなの……?」
「不思議な力です」
「まぁ僕にしてみれば一目瞭然だけどね!」
「あ、言わないでくださいよ。面白くなくなりますから」
面白いとか面白くないとかで決めちゃうんだ……。
しかし、なおさらAちゃんには武装探偵社に入ってもらいたくなった。
流浪者の彼女を引き留めて、いつでも調べられるからね。
「ねぇAちゃん」
「私はここに入りませんよ」
「Aはここに入らないよ」
Aちゃんと乱歩さんの声がだぶった。
ええ……?私ってそんなに分かりやすかったかなあ。
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作者名:萩原三月 | 作成日時:2018年8月15日 17時