世にも不思議な力【文豪ストレイドッグス】 (ページ1)

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プロロロローグページ1

電車を降り、ふらふらしながら備え付けのベンチに座った少女。
都会(ヨコハマ)の電車は人が多すぎる、と呟く。

少女は水筒を取り出し、中の液体を口の中で踊らせてから飲み込んだ。

＿＿ぬるい。

これはいけない、と思い何もないところから氷を出して水筒に入れる。
それを見ていたらしく、右側に座る人はぎょっとして足早に逃げてしまった。

しかし、少女はそれを気にせず水筒を傾ける。ちなみに中身はメロンジュースだ。

「＿＿そこのお嬢さん」

左側に座っていた人が立ち上がる。なんだろうと水筒から口を離した少女に、彼は包帯まみれの手を差し出す。

「どことなくあの蛞蝓とよく似ているが、全く可憐な人だ。どうか私と、心中してくださいませんか？」

「いいですよ」

少女が即答し手を重ねると、包帯の男性はぱぁっと顔を明るくした。かわいい、と内心思う少女。

これが、少女＿＿Aと太宰治の出会いだ。