#5 What to do? ページ6
「……」
十数分弱。2人がいたのはスクエアから少し外れた、ヒラメが丘団地付近のビル。
そこでレイは、未知の生物を見つけたかの様な表情でアゲホイップをまじまじと見つめていた。
「レイ君どういう顔してんのw……あれ、もしかして初めてな感じ?」
「あ、ぁぁ……何だコレ」
「マジで知らない?これさー、アゲホイップっていって街で流行ってるフード何だよね」
そんな事を言われてもレイには知る由もない。なにせ流行はおろか現在の街の状況すら追えていないのだから。
(俺こういうのあんまり得意じゃないんだけどな…)
しばらく黙っていたレイだったが、アロハに視線に耐えかねたのか意を決した様に口を開く。
(…あれ、これ意外と)
「……いける?」
「あはは、何で疑問形なの」
笑いながら言ったアロハは、続けざまにレイに問いかける。
「そういえばレイ君さ、何でこんなとこいんの?誰もいないじゃん」
アロハの言う通り、辺りを見渡しても郊外だからか街の中心よりあからさまにヒトは少ない。
“その質問はするな”とでも言いたいのか、レイはそれに苦い顔をして答えた。
「…何してればいいか分かんないんだよ」
「え、バトルしない感じ?一番いい暇つぶしだと思うんだけど」
「…………」
きゅっと黙りこくったレイに対し、アロハはあちゃあ、といった表情を浮かべ言う。
「じゃあさ、質問変えていい?こういうとこ好きなの?」
「それもあるかもしれない、けど……何か、こういうところに誰かがいる気がするんだ」
「え、何それ。どういう事?誰もいないじゃん」
「そういうんじゃなくて…ここで、こういうところで誰かが待ってる、ここにいないといけないって思わされる、とでも言えばいい……ってお前聞いてるのかよ」
上を向いて言っていたレイはアロハからの返事が無いのを疑問に思い彼の方に視線を戻すと、アロハはレイの話に耳を傾けていないのかイカホをいじっていた。
「んー?何か難しそうだったから聞いてなかった♪メンディーじゃん♪」
「あのな……いい、俺もう帰る」
「あ、そう?まぁいいや、いいとこ教えてくれてありがと♪もしかしたらまた会うかもね♪」
会ってたまるか。レイはその言葉を強引に飲み込み、その場を後にする。
(面倒な奴に会った…)
そう心の中で呟いたレイは小さく溜め息をつき、プルオーバーコートのポケットに手を突っ込む。
……後々自身に訪れる運命も知らずに。
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栞音@超多忙(プロフ) - 2次元作が大好きなオタクさん» ありがとうございます！最近停滞気味でしたが少し活力湧きました…！ (2023年2月28日 7時) (
レス) id: 6fdd8bf1f9 (このIDを非表示/違反報告)
2次元作が大好きなオタク - 面白い作品です！これからも頑張ってください！o(^▽^)o (2023年2月27日 22時) (レス) @page6 id: 43d425384b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うすしお x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2022年5月7日 22時
