#22 Like ページ23
数時間後。
結局何戦やったか分からないくらいフェスマッチに潜っていると、気付いたら時刻が午後6時を回っていた。
こんなに通しでバトルしたのはいつぶりだろう。
(…いつ?)
「でさ、さっきのボトルハイプレのタイミング良かったよねー…アレ、聞いてる?」
「!」
視線も思考も明後日の方向に行っていたのに気付き、慌ててアロハの方を向く。
「あ、まぁ…で、何だって?」
「聞いてないんじゃん!?」
大した事じゃないから良いけど、そう言いながらアロハはぷっと頬を膨らませた。
それを軽くあしらいつつ、広場の中央に視線をやる。
日没後とは思えない程人で溢れる広場は、眩しい程に輝いていた。
(あいつらにはまだバトルやれる元気あるのか…)
到底俺には真似出来そうに無いな、と他人事に思っていると、アロハが口を開く。
「ねぇ、レイ君」
今日、楽しかった?
いつもと少し違うトーンでそう言ったアロハを不思議に思ったレイだったが、それ以上は深く考えず答えた。
「…まぁな」
「え、マジ?良かったー♪レイ君こういうの苦手なのかなって思ってたからさ♪」
「どういう意味だよ」
「や、別にバカにしてる訳じゃなくて!バトル行ってなかったらしいからさ…」
「…あぁ」
そういう事か、という顔をするレイ。すると、彼は言葉を続けた。
「…正直、俺は今こうやって街でバトルしてるのに実感が湧かない」
そう言った彼はアロハに向き直り、口を開く。
「…だから、何というか…そういう点では、お前に感謝してる。嫌いじゃあ、ない」
目を逸らして、下手に笑って───でも、輪郭のはっきりした声色で言う。
(…?)
自分の言葉に呆けている様な、怒っている様な、嬉しい様な───読めない表情で目を点にするアロハに、レイも沈黙する。
「…あっ?!ウン、ありがとう!いやー、そうやって言ってもらっちゃって嬉しいなー♪」
「…調子には乗るなよ」
「いやいや、そんな事言われてもなー…」
(…純粋に、嬉しいっては思ってないんだろ)
言わないだけで、分かってる。だって表情が違ったから。
レイはその言葉を飲み込んで、もう一度俯いた。
□■□■□■□
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栞音@超多忙(プロフ) - 2次元作が大好きなオタクさん» ありがとうございます！最近停滞気味でしたが少し活力湧きました…！ (2023年2月28日 7時) (
レス) id: 6fdd8bf1f9 (このIDを非表示/違反報告)
2次元作が大好きなオタク - 面白い作品です！これからも頑張ってください！o(^▽^)o (2023年2月27日 22時) (レス) @page6 id: 43d425384b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うすしお x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2022年5月7日 22時
