#19 Fes ページ20
(…良かった、塗れてる)
“964p”の表記を見たレイは、ふぅと息をついた。
例のナワバリバトルの日以降、レイはちょくちょく野良ナワバリにも顔を出す様になっていた。
(自陣塗りとサポート中心でいれば、デスも少なくなるし…)
「…チャーとのマッチアップも減る」
これが気がかりだった。
チャージャーを見ると、体が固まる。手足が震える。
いつからなのかは分からないが、気付いた時にはそうなる様になってしまっていた。
バトルにおいてはかなりの障害だが、考えてみれば“これ”も分からない事の一つだ。
上手い事立ち回れば、有効射程範囲から極力外れられる。
(面倒なのに変わりはないけど…)
そう心の中で呟いたレイがリザルト画面を閉じた時、ポンッと肩を叩かれた。
「やっほー、レイ君♪」
「!」
ぱっとそちらに振り向くと、そこには日常的に見かける顔……アロハがウインクをして立っていた。
「ナワバリ行ってたんでしょ?勝った?」
「ま、まぁ…」
「やっぱりかー♪」
「…どういう意味だよ」
「いや、レイ君強いしさ♪…じゃなくて」
「ん?」
別に言う程俺は強くない、と否定しようとした時、アロハはひらひらと手を振る。
「レイ君さ、フェス投票やった?」
「…ふぇす?」
「え、マジで?ニュース見てなかったの?フェスやるって事も、投票始まってるのも」
レイのあまりの無知っぷりにアロハは素っ頓狂な声を上げるが、当の本人は悪びれずに言った。
「…何か言ってるのは知ってたが、よく分からなかったから無視してた」
「そういう事言うのスカルだけで良いんだけど!?」
同期に既視感を覚えたアロハはそうツッコみ、レイの手を引いて投票スペースに向かう。
「ほら、『スーパーキノコで巨大化 vs スーパースターで無敵』。これのどっちか選んで、選んだ陣営に参加してバトルするんだ」
「……」
随分困る選択肢だ。別に巨大化したいとも、無敵になりたいとも思った事が無いからである。
「迷ってる感じ?……じゃあ、えいっ♪」
「!?ちょ、」
投票所の前で立ち尽くすレイを見ていたアロハはおもむろに彼の手を取ると、『スーパースターで無敵』の方に手を持っていった。
「迷ってるならオレと一緒にしよ♪フェスT取って来るから!」
状況が飲み込めていないレイは、そう言って駆け出したアロハの後ろ姿を驚いた様子で見つめていた。
□■□■□■□
Fes:フェス
アロハ氏のイメージCVを知りたい。
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栞音@超多忙(プロフ) - 2次元作が大好きなオタクさん» ありがとうございます！最近停滞気味でしたが少し活力湧きました…！ (2023年2月28日 7時) (
レス) id: 6fdd8bf1f9 (このIDを非表示/違反報告)
2次元作が大好きなオタク - 面白い作品です！これからも頑張ってください！o(^▽^)o (2023年2月27日 22時) (レス) @page6 id: 43d425384b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うすしお x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2022年5月7日 22時
