トリップ少女の愉快な冒険【ハリーポッター】 (ページ26)

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23話ページ26

～HARRY SIDE～

日曜の朝、バーノンおじさんは、疲れたやや青い顔で、しかし嬉しそうに朝食の席についた。

バ「日曜は新聞は休みだ」

新聞にマーマレードを塗りたくりながら、おじさんは嬉々としてみんなに言った。

僕は、新聞とパンを間違えているおじさんに哀れみの視線を送った。

バ「今日は忌々しい手紙なんぞ・・・・・・」

そう言い終わらないうちに、何かがキッチンの煙突から落ちてきて、おじさんの頭にコツンとぶつかった。

次の瞬間、たくさんの手紙が、暖炉から雨あられと降ってきた。

僕たちは急いで避難したが、おじさんたちは大量の手紙に飲み込まれて行く。

助けた方がいいかな、とも思ったが、おじさんたちが埋れて行くのを見るのは楽しかったので、しばらくAと一緒に見物していた。

やっと抜け出したおじさんは、なお降ってくる手紙をみて、

バ「これで決まりだ」

そう言った

おじさんはなんとか平静に話そうとしてはいたが、同時に口ひげを何度も引き抜いていた。

バ「みんな、出発の準備をして5分後にここに集合だ。家を離れることにする。着替えだけ持ってきなさい。問答無用だ！」

口ひげを半分も引き抜いてしまったおじさんの形相は凄まじく、僕はなにも言う気にはならなかった。

ただし、Aは口ひげが半分ないおじさんをみて、笑いをこらえるのに必死だったけど

そして十分後、僕たちは車に乗り込み、高速道路を目指して走っていた。

でも、手紙は泊まったホテルにも届いてくる。

僕とA、合わせて200通もあった。

怒ったおじさんはすぐにホテルを出て、また車を走らせた。

ぺ「ねぇ、家に帰った方がいいんじゃないかしら？」

ペチュニアおばさんが恐る恐るそう言ったのはそれから数時間後だったが、車を走らせるバーノンおじさんは全く聞いていない。

一体おじさんはどこへ行こうとしているんだろう？

ある時は森の奥深くまで入り、ある時は耕された畑のど真ん中で、またある時は立体駐車場の上で、おじさんはまるで何かを探すような動きをした。

夕方近くになり、おじさんは海岸近くで車を止め、僕らを車の中に閉じ込めて何処かへ行った。

しばらくすると、バーノンおじさんがにんまりしながらやってきた。

長くて細い包みを抱えている。

なにを買ったのかとおばさんが聞いても,なにも答えなかった。

代わりに,今夜泊まるところを告げられた。

僕らはすぐに船に乗せられ、出発した。