INIの紅一点は最年長です (ページ31)

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京ちゃんの胸の内ページ31

Aside

「1人は嫌」と言われてしまうと、一応病人だし、
行くに行けない。

京介「あのさ…………」

高熱のせいで、いつもよりゆっくりした喋り方で、目もはっきりと開いていない。

A「うん。」

それでも私はしっかりと目を見て京ちゃんが寝ているベットに座る。

京介「ほんとは体調悪かったのに……ダンス、置いてかれちゃうんじゃないかって……不安で、」

京介「もとちゃんたちが言ってくれたこと聞かないで……ごめんなさい」

ダンスのことに関しては、私は痛いほどわかる。

未経験の私たちは経験者の人たちよりも何倍も練習しないと隣に並ぶことはできない。

A「大丈夫だよ。ダンスもあとでやろう。

私たちのことは気にしないで大丈夫。

みんなただ、京ちゃんのこと心配してたよ。」

A「1人で悩まないでね、京ちゃんは1人じゃないから。周りを見たら11人絶対いるから。」

京介「ごめん…あと、ありがと、」

京ちゃんは涙を見せたくないのか、手で顔を覆っている。

しばらく京ちゃんの鼻のすする音が聞こえて、
しなくなったなーと思って覆っていた手をどかすと、すやすやと眠っていた。

いつもはツンツンしてたりするけど、やっぱり
思っていることはちゃんと伝えてくれるし、
寝顔も癒される。

A「早く治ってよね……。」

そう思いながら、食べかけのゼリーを冷蔵庫に閉まう。

A「あれ……冷えピタあるじゃん」

冷蔵庫の奥に冷えピタがあるのを見つけた。

見にくいところだからひろむんも気づかなかったのかも。

わかりやすいところに閉まっておいて、また京ちゃんのところに戻る。

今はもう11時だけど、このまま帰ることもできないし、今日はずっとここにいよう。

京ちゃんが嫌な夢を見たら、すぐに対応できるように笑

そう思いながら、ベットにまた腰をかけた。