INIの紅一点は最年長です (ページ27)

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大夢くんページ27

京介side

練習室を飛び出してからどれくらい経ったんだろう。

適当に荷物をまとめて、練習室を出ていったけど、スマホを見る気力もない。

なんか動けないし息やばいし俺こんなとこで
人生終わる？

ここの公園って全然人来ないし……。

座っているベンチも綺麗とは言えないし。

京介「はぁ……」

大夢「…………すけ、」

幻聴……？めっちゃ大夢くんの声する……。

大夢「京介！！」

重い顔を上げると、目の前には息を切らした大夢くんがいた。

京介「な、んで……」

大夢「勝手に体調悪いのに出ていくなんてバカじゃないの……？」

普段は「バカじゃないし」って言い返すところも、大夢くんが来てくれた安心感によって言えなくなる。

大夢「早く帰ろうよ肌寒いし、悪化しちゃう。」

京介「でも……」

まだ気まずさもあって、帰りたくないなーって
思ってしまう。

大夢「違うよ、京介の家。」

そう言われ、タクシーで俺の家まで行った。

大夢「じゃあとりあえずベットで休んでて。」

京介「解熱剤……キッチンの棚にあるから、、」

大夢「了解」

そう言って、大夢くんはテキパキと動いている。

大夢「じゃあゼリー食べて薬飲んで」

京介「全部食べれるかわかんない……」

大夢「半分でもいいから、そしたら薬飲めるよ」

食欲もなく、半分でギブだったけどゼリーのひんやりとした食感が心地よかった。

粒の薬を飲んで、またベットに寝転んだ。

大夢「大丈夫だよ、今は体調治すことだけ。」

そう言って頭を撫でてくれる大夢くんの手が
あたたかくて、気持ちいい。

大夢「京介なら大丈夫。」

そう優しく微笑んでくれたのを最後に、俺は
眠りについていた。