京介side ページ25
京介side
朝から調子がおかしいのはわかっていた。
けど、今日は大事な練習日だし、朝だったからか
熱も微熱だった。
声はかなりかすれていたけど、それでも出ないほどじゃないし、ダンス練習だし。
だから参加したんだけど、ダンスをしていくうちに、朝の微熱は確実に高熱になっている気がするし、目眩がしてフラフラする。
位置がAの隣になった時、ついに倒れてしまった。
A「京ちゃん！？」
苦しい 辛い
そんなことも倒れた瞬間に強く思い浮かんだけど、みんなの視線が集まっている。
でも、こんなことで練習を止めちゃいけない。
みんなだって我慢している人がいるかも。
そう思うと、自分が情けなくなってくる。
京介「ごめんなさい……続けよ、」
そう思って、精一杯体に力を込めて立ち上がる。
フラフラしているし、激しいステップを踏んだら
今にも倒れるよなって自分でもわかる。
A「京ちゃんちょっと休んで」
京介「いや、大丈夫……」
A「明らかに体調悪いじゃん、」
みんなも俺に休んでっていうけど、俺はまだ
できる。
A「こんな状態で踊れるわけない。」
京介「できるから」
俺はこの曲の振りが難しいと思ってるし、今体を上手く使うことができない。
更にこれで休むなんて、許されないことだし、
みんなに遅れを取ってしまう。
A「じゃあここサビ踊ってみなよ。」
もとちゃんにそう言われて、踊ることができなかった。
だって踊ったら倒れてしまいそうだから。
ただ、もとちゃんを見るしかなかった。
京介「こんなんで休めないから」
それが今の俺に言える精一杯の言葉だった。
そう言って、早くやろうと言わんばかりに定位置に立つ。
それでも俺の体は限界だった。
横からもとちゃんの大きなため息が聞こえる。
A「自分の今の状態わかってるの……！？
今こんなに辛そうならサビとかダメだよ……？
自分の体のことわかってあげてよ！」
もとちゃんは、メンバーの体調に関しては人一倍気を使ってくれたっけ。
でも俺は素直に受け取れなかった。
京介「わかってるから…！！！」
これ以上、この空間にいたくなくて俺は練習室を出た。
こんな状態でどこか行くなんて無理なんだ。
気づいていたけど、それ以上に練習室にいることが辛かった。
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作者名：みになMINI | 作成日時：2023年12月2日 19時
