INIの紅一点は最年長です (ページ24)

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柾哉side ページ24

柾哉side

京介がいつもとどこか違うなというのには薄々
気がついていた。

みんなよりも厚着をしていて、顔も少し赤かった。

そこで、なんで言わなかったんだろうという後悔が、京介が倒れて初めて気づいた。

足がフラフラしていて、今にもまた倒れてしまいそうだった。

メンバーのみんなもこれ以上悪化してほしくないの一心で、京介を説得した。

けど、京介はなかなか休もうとしない。

ダンスに関して焦りも感じているのも感じ取れた。

A「こんな状態で踊れるわけない。」

京介「できるから」

A「じゃあここで踊ってみなよ。」

そんなAちゃんたちの会話。

Aちゃんは少し厳しい口調だった。

Aちゃんは京介を真剣な眼差しで見ていて、そんな京介は少し反抗的な目で見ていた。

それでもなお定位置に立とうとする京介に
心が痛くなる。

俺も、もうお願いだから休んでともう一度言おうとした時、Aちゃんが声を荒げて言った。

A「自分の今の状態わかってるの……！？
今こんなに辛そうならサビとかダメだよ……？
自分の体のことわかってあげてよ！」

京介「わかってるから…！！！」

Aと同じように声を荒げた京介はそのまま
フラフラとした足取りで練習室を出ていってしまった。

A「京ちゃん…………！」

Aちゃんの顔を見ると、色々な感情が混ざったような複雑な表情をしていた。

あの時、俺がしっかり止めていたらよかった。