悔しさと悲しさと怒り ページ23
Aside
京介「はぁ…………」
京ちゃんの方から、鈍い音がした。
A「京ちゃん！？」
私の声に、ダンスの練習室に静まり返る。
京ちゃんが苦しそうにして、倒れていた。
けど、みんなの視線が集まってしまったことに気がついたのか、すぐに起き上がった。
京介「ごめんなさい……続けよ、」
それでも、足はおぼつかなくて、フラフラしている。
マスクをしていてもわかるくらい顔が真っ赤で、
明らかに体調不良ですって感じだった。
A「京ちゃんちょっと休んで」
京介「いや、大丈夫……」
A「明らかに体調悪いじゃん、」
頑なに休んでくれない。
柾哉「京介、お願い」
大夢「後で一緒にやろう？」
みんなが声をかけても、一向に休まない。
京ちゃんなりに、焦りや考えがあるのもわかる。
けど、それでもっと悪化してしまったら元も子もない。
そう音楽が止まって話している時も、息はみんなよりもあがっていて、足元もフラフラしていて、
とてもダンスができる状態ではない。
そんな京ちゃんを参加させるのは違うと思った。
A「こんな状態で踊れるわけない。」
京介「できるから」
A「じゃあここで踊ってみなよ。」
そう言うと、京ちゃんは何も言わなかった。
ただ、こちらを少し反抗的な目で見ていた。
自分でも厳しいことを言ってしまったと思う。
けど、それで京ちゃんが体調を崩したらと思うと
悲しい。
京介「こんなんで休めないから」
そう言って定位置に立とうとする京ちゃん。
限界だった。
A「自分の今の状態わかってるの……！？
今こんなに辛そうならサビとかダメだよ……？
自分の体のことわかってあげてよ！」
京介「わかってるから…！！！」
京ちゃんにも考えがあるはずなのに、それを全くわかってあげられないことが悔しい。
けど、こんな状態でもなおダンスをやろうとする
京ちゃんに怒りもあった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 325人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みになMINI | 作成日時：2023年12月2日 19時
