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五「まず１つ目、Aの呪力を3分の1にする」
「え・・・」
3分の1にする？っていうか
「そんなことできるんですか？」
五「できるよ」
「どうやって・・」
五「君にそういう縛りを結ばせる。脳のダメージを回復させる代わりに呪力に制限をかけるんだ」
「・・・・つまり、前のようにはもう術式をポンポン出せなくなるんですね」
五「まぁそういうことだね。仮に君がこっちを選んだ場合、複数武器を出すことや幻を何回も見せることは難しいだろう。出せてもすぐに呪力切れがいいとこかな。それに多分すぐに1級の任務とかも難しいかもね。しばらくは呪力制限の中での鍛錬をしないとすぐに死んじゃうだろうし」
「・・・・」
五「どうする？呪術師を続けても、もしかしたら君の目標は達成できないかもしれない。それでも続ける？」
・・・今まで以上に呪術師としてやっていける確証はない。
非術師を助けるために、傑さんを救うために、ここまでやってきた。
だけどこの縛りを結べば、前よりそれが格段に難易度の高いものになる。
3分の1、か。
ズキン
頭の痛みは引く様子もない。
だから小難しく考えられない、けど
自分自身がどうしたいかなんて、とっくのとうに決まってる。
「・・・・お願いします。呪力を3分の1にして、私の脳を治してください」
五「いいの？なかなか棘の道だけど」
「それでも私は呪術師をやりたいです」
救ってもらった命
傑さんがあの時私を助けなかったら、今の私はない。
・・・・だからこの命は、呪術師を続けることに捧げたい。
「呪力を制限されたくらいで折れるような精神してないですよ私」
五「・・・・・そうだね、オマエはずっとそうだ。頑固なところは昔から変わらないよね」
「それが私なので」
五「ま、そう言うと思った。わかった」
「それで、もう一つの条件は」
五「うん、それなんだけどね、『縛りを結んだことを忘れること』これが２つ目」
・・・・ん？
「それ、縛りの内容の一部ですか？」
五「そうだよ」
「なんで忘れさせるんですか？」
五「それはこっちの都合。嫌ならこの話はなしに＿＿＿＿＿」
「いや、わかりました。それでいいです」
そもそも呪術師ができないと思っていた中でのこの話だ。
なしにされるのは嫌。
「ちなみにどこまで忘れるんですか？」
五「君と縛りを結んだ時だけだよ。そこまでの記憶はあるから安心して」
「・・・・わかりました」
五「じゃ、硝子呼んでくる」
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作者名：あや | 作成日時：2023年10月15日 14時
