193 ※少々流血表現あり ページ11
…下手に隠すより、本当のことを話した方がいいか。
「私は呪術師です。今回はこの神様の祓いが任務でここに来ました」
無「呪術師…はぁ〜…なるほど」
「驚かないんですね」
無「いやいや！驚いてるとも！仕事柄、何人か見たことはありましたがこんな若い子もいるとは、通りでお強いわけだ」
「さっきの剣は私の幻です…私の術は簡単に言うと幻を現実化することが出来ます。」
無「幻を！凄いですなぁ〜…なんでも出せるので？」
「まぁ、ある程度は…私が見たこと、あるいは触ったことしか出来ないですけど…」
幻を現実化出来るのは視覚情報＋触覚情報、見せるだけなら私が見たことなくていい。
だがここまで言わなくてもいいだろう
無「なるほど〜！便利な能力ですな」
「ええ、沢山体力使いますが…ありがたい限りです」
実際のところ、大変ではあったが想定よりも術式を使わなかったおかげでまだまだ余裕がある。
少しでも強くなれてるのかなと、少し嬉しさを感じながら
無「ところでお姉さん、これで任務完了ですかな？」
「いえ、今からなんでこんなことになったか調査に…？」
違和感
いつもの慎重すぎる性が働いているのか
それともただの杞憂か
「(なんだ…この)」
な に か に み つ め ら れ て い る よ う な か ん か く
その瞬間
ききききききき
隣から聞こえる、子どもの声
「無窓さん！！」
無窓さんを咄嗟に私の後ろにやり、
「かはっ…」
横から飛んでくる打撃をモロにくらった
つー…と口から血が出てる
打撃が飛んできた方向を見ると
きゃははははっ
きゃはははっ
にーんげんにーんげん
陽気に踊っているように見えるこいつは、さっきのやつとは次元が違うオーラを纏っている
「…まさか」
さっきのは、神様じゃなかった…？
にんげんだっ！
「がっ！」
バキッバキキッ
パラパラ…
木に向かって吹っ飛ばされる体
「(別次元すぎる…)」
なんせ見えない。速すぎる。
こんなもんとどう戦えば…
無「ぐっ、がは…」
「無窓さ、ん…！！」
無窓さんがさっきの動きを止める術を使って止めてくれてる
無「大丈夫ですかい！？お姉さん！」
だが…
パキィン
その術が、解かれてしまった
おまえ、いやだ、ばいばーい
パシュン
「無窓、さん…？」
消えた
消えた
きゃははっきゃははっ
にんげんきえたー！きえたよー！
楽しそうに、愉快そうにしている神様
また、私の目の前で、人が消えた
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作者名：あや | 作成日時：2023年10月15日 14時
