91 ページ26
私は、傑さんにはついていかなかった。
「(__これで、よかった。)」
傑さんに思いを伝え、高専へと帰ってきた。
そして無意識に、傑さんと過ごした、あの森の中の開けたところへ赴く。
「・・・」
寂しくないわけがない。
苦しくないわけがない。
「私には・・・力がない」
無力だから、傑さんを助けられなかった。
無力だから、傑さんの持つ闇に踏み込む勇気がなかった。
「・・・強く、ならなくちゃ。」
もう誰も守れない自分はいやだ。
もう誰かを失うのはいやだ。
「(見ててよ、傑さん。私は、あなたも救う。)」
あなたが否定したもの(思想)は、私が絶対にやってみせる。
「はぁ〜・・・修行、しなくちゃな・・・」
いつの間にか夕方。人間ってこんなに考え事に時間使えるんだなと思った。
五「・・・・A」
「わっ師匠!!気づきませんでした・・・」
最近師匠がマジで神出鬼没すぎて怖い・・・
五「お前、傑のところに行かなかったんだな」
「はい」
そういうと師匠はどかっと私の隣に座った。
五「・・・なんで?」
「え」
五「なんで傑のとこにいかなかったの」
「・・・行ってほしかったですか?」
五「んなわけねぇだろ。純粋に疑問なだけだ」
「ん〜まぁ決定的なのは、やっぱり、私が目指しているものとは、真逆だからですかね」
五「あぁ・・・非術師を守る、だっけ」
「はい。非術師を、大好きな高専の皆さんを、守るためです」
それにはもちろん、師匠も、と付け加えた。
サングラス越しでも、師匠の目が見開いたのがわかる
五「俺も?」
「師匠も大好きなので」
そういうと師匠はクックッと笑う。
五「お前、ほんとイカれてんね。俺を守ろうなんて考えるやつなんかいねぇよ」
「いーんですよ。それが私なので」
師匠は立って私の頭に手を置く。
五「そっか、そうだな」
「はい。・・・これからもよろしくお願いします」
五「まかせろ・・・期待してる」
夕日が沈みかけていく中、私たちの背中を押すように風が吹いた。
五「そういや、傑になんて言って断ったんだ?」
森の外へ歩いていると、ふいに師匠は話しかけてきた。
「・・・・秘密です。」
五「あー?けちんぼかよ」
「いいんですよ。気が乗ったらいいます」
五「今言え」
「理不尽ですね」
『傑さん』
『私は、行けません。非術師を、みんなを守るために力を使いたいので。あと』
________『私の師匠は、五条悟だけなので』
127人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あや(プロフ) - さとさん» ありがとうございます!全力で描かせてもらいますのでぜひ続編の方もお願い致します!! (8月6日 11時) (レス) id: db0fd9ce69 (このIDを非表示/違反報告)
さと - 百鬼夜行編とても楽しみです!いつも面白い話を提供して下さりありがとうございます! (8月6日 7時) (レス) @page27 id: cdb499747b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あや | 作成日時:2023年7月31日 12時