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たくさん、いろんな話をした。
師匠との修行の話、学校の話、友だちの話。
修行はいつも師匠にコテンパンにされるからたまに泣くこともあった。でも、傑さんはいつも慰めてくれた。
傑さんの話もたくさん聞いた。
任務であった出来事や師匠との悪ふざけ、聞いていて面白い話ばかりしてくれた。
1か月に多くて2回、少なくて1回
私は傑さんとここで過ごした。
でも、過ごしているうちに、私は気づいた。
「(傑さん・・・寝れてない・・・?)」
ほんの少し、感じた違和感。
私は何度も言おうとした。何かあったんですかって、力になりたいですって
でも
踏み込んではいけない気がした。否、踏み込めなかった。
「・・あの、傑さん」
夏「ん?」
「・・・いえ、なんでもないです」
そんな会話を繰り返す。
傑さんはいつも元気に振る舞っていたが、みるみるうちに痩せていった。
___________
2007年8月
私は小学校を卒業し、中学生になった。
今は夏休み
「あ、つい・・・・」
暑さに対して怒りを覚えながら修行をしている。
術式を展開しながら、木の枝と枝に飛び移る。少し見渡しが悪いところでも機動力が発揮できるようにするための修行だ。
これが意外に楽しく、忍者みたいだと思ったのは内緒
「ピッ ・・・・2分・・・だいぶ安定してきた。」
幻出で出したものをずっと保たせられるようにするのも同時にやっている。
案外難しく、最初は本当に30秒ほどで消えてしまっていた。
「(戦闘でも使えるように・・・あと3分は欲しいな)」
そう思いながらやっていると
五「おーいA、ちょっと」
「・・・師匠?」
木の上にいた私に声をかけてきたのは師匠。
一体なんだろう
木から降りて私は師匠に駆け寄った。
五「お前の初任務日が決まったよ」
「ようやく・・・ですか」
五「そ、まぁいうて3級相手だから大丈夫。一応俺も一緒に行くことになってっから」
「ありがとうございます・・・いつなんですか?任務日」
五「明日」
「明日・・・?!いや、伝えるの遅すぎません?」
五「さっき決まったんだよ、仕方ねーだろ」
「はぁ・・・・」
五「まぁここから近いとこだし、大丈夫だろ」
「私の心の準備はガン無視なんですね・・・」
五「ってな訳で明日、あけとけよ」
そう言って師匠は去ろうとした
「・・・あの」
五「何?」
「・・・傑さん、ここずっと全然元気じゃなさそうなんですけど・・・何か、知ってますか・・?」
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あや(プロフ) - さとさん» ありがとうございます!全力で描かせてもらいますのでぜひ続編の方もお願い致します!! (8月6日 11時) (レス) id: db0fd9ce69 (このIDを非表示/違反報告)
さと - 百鬼夜行編とても楽しみです!いつも面白い話を提供して下さりありがとうございます! (8月6日 7時) (レス) @page27 id: cdb499747b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あや | 作成日時:2023年7月31日 12時