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Noside
夏「はぁ〜・・・」
五「なんでため息ついてんだよ」
夏「・・・これは悟には内緒にしておこうと思ったんだが・・・悟、少し前にAを連れて任務に行っただろ?」
五「・・・行った。それが何」
ちょうど1ヶ月前、呪霊はどんなやつがいるのかということを教えるために課外授業として、五条の任務に見学させるためにAを同行させた。1級案件であったが、A連れでも余裕で祓えた。
夏「Aが呪霊に捕まりそうになった時に、君がすぐに助けてくれた、と話を聞いた」
五「目を離した隙に捕まりかけてたからな。相手は俺からしたら雑魚でも、Aからしたら格上だろ」
夏「その時にね、あの子は『師匠でも、守れるようになりたい』って思ったんだって」
五「は・・?」
笑えるだろ?と夏油は続ける。
夏「あの五条悟をも守れるようにって・・・普通の術師は考えない。」
五条家の次期当主、六眼と無下限呪術の抱き合わせ、それが五条悟である。大抵の術師は尊敬と畏怖の目を向けるものである。
夏「守りたい対象には、私や硝子も入っているらしい。中々どうしてイカれてるね。_そんな子が、悟のことを嫌いになるわけないだろ。」
Aは五条に対して最初は恐怖でしかなかった。しかし、師匠と弟子という関係を続けて半年。
彼女は五条を尊敬し、師匠として慕っていることは五条以外の人間は知っていた。
五「・・・・そうかよ。」
夏「あれ、悟、心なしか嬉しそうに見えるけど・・」
五「んなわけねぇだろ!ったく・・俺はあいつに守られるほど弱くねーしな」
口だけは一人前だな、と思いつつ、五条は顔を上げた。
夏「まぁ、それは私もだけどね。でもいいじゃないか、小学生は大きく夢を見るものだから」
五「大きすぎだろ」
夏「・・・じゃ、行こうか。Aのところへ。」
五「・・・おう」
夏油と五条はAと硝子が消えた方向へと進んだ。
夏「(それにしても、あの我関せずを貫いてきた悟が他者の感情を優先するなんて・・・思ってなかった)」
師匠らしくなったじゃないかと夏油は感じていた。
五「・・・なぁ、傑」
夏「ん?」
五「あいつに、なんて声を掛ければいい。」
夏「え」
五「なんだよ」
夏「いや・・・普通に謝ればいいんじゃないか?」
五「・・・わかった。・・・なんだよ、その顔」
夏「いや、君があまりにも素直で驚いてる」
五「俺はいつでも素直だろ」
夏「色んな意味でね」
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作者名:あや | 作成日時:2023年7月18日 19時