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五「これはな呪力を一定に流す訓練で、このクマに一定の呪力を流し続ける。あ、流すの止めたら殴られるから。」

お前まだ呪力弱っちいからかなり弱めに設定してる、と師匠はいうが

「あ、あの師匠・・・呪力ってそんな簡単に流れるもんなんですか・・・」

五「・・ああそうか、今のとこ見えるだけなんだっけ。」

こくりと頷くと師匠は少し気怠けながら話し始めた。

五「呪力ってのは人間の負の感情をエネルギーにしている。だからまぁ、簡単にいえば怒ったり悲しんだりとかの感情を使う。あんまりこの方法、よくないだろうけど、とりあえず掴むだけなら問題ないだろ」

「?・・・や、やるだけやってみます」

とりあえず、私の、悲しい感情・・・

悲しい・・・怒り・・・お母さん、お父さんを・・・返せ・・・

返せ!!!

怒りや、悲しみの感情を全身に流れさせる・・なんか、すごい。これが呪力?今ならなんでもできそう・・・

五「_おい、おいAストップ!!」

「え、は、はい・・・」

五「・・・お前、今の無自覚?」

「え、何がですか・・・」

五「とんでもない量の呪力が出てた。俺が止めなけりゃ脳が焼き切れてたぞ」

「そ、そんなに・・」

五「でもま、超弱かった呪力が少しマシになったな。この調子でやっていけば術式もそのうち出てくるだろ。」

「が、頑張ります」

五「よし、じゃあ呪力コントロールからだな。呪力は感覚さえ掴めば誰でもコントロールができる。ってなわけで・・・」

ゴソゴソ何か出してる・・・なんだろ・・・

五「小学生って何みんのかよくわかんねぇから適当に映画持ってきてたけどいい?簡単なやつ」

「え、映画見るんですか?」

五「見る以外にあんのか?」

「修行、なんですか・・?」

五「そ、今からいろんな映画見て、どんな感情になっても一定になるようにする。ま、感覚掴めってこと」

「なるほど・・・最初は何見るんですか?」

五「お前が決めていいよ。」

じゃあ、えと・・・

「これ、で・・・」

五「さすが小学生。アニメに食いついたか」

某死神のアクションアニメ。お父さんが漫画好きでよく見ていた。

五「んじゃ、これ持って呪力を一定にしろ。スタートな」

「師匠も一緒に見るんですか・・・?」

五「修行なんだからそりゃいるだろ」

こうして映画鑑賞という名の修行が始まった。


おまけ

「このぬいぐるみ・・売ってるんですか?」

五「いや?夜蛾センの手作り」

「す、すごいですね・・・」

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作者名:あや | 作成日時:2023年7月18日 19時

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