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「やっとついた・・・」
東京の中でも現在最もインフラが整っていない場所
渋谷
高専から出る前にいつもの場所には行った。
でも、今回はここ渋谷にも行きたかったんだ。
まだそんなに日は経っていないはずなのに、閉じ込められていたからかずいぶん昔に感じる。
花を持って、私は地下に行く。
「・・・七海さん」
そこにはもう遺体も何もなかった。
あるのは崩れた瓦礫と血痕だけ。
「(・・・そりゃそうか、ずっとあったら逆に怖い)」
七海さんが倒れていたであろう場所に花束を置く。
手を合わせて目を瞑り、1分ほど黙祷していた。
せめて、死んだ後くらいは穏やかに過ごせてますように、と
「さてっと・・・結界の方に」
?「・・・皆見さん?」
私が立ち上がって歩き出そうとした時だった。
「猪野くんだ。もう体大丈夫?」
猪「うっす、皆見さん、確か総監部に拘束中じゃ・・・」
「抜け出した」
猪「あー、なるほど・・さすがっすね」
そう言って猪野くんは私がさっきまでいた場所に座って黙祷した。
彼もここにきたのか・・・
猪「・・・皆見さんはこれからどうするんすか」
「今から結界に入る予定。死滅回游に参加するよ。少しでも役に立たないと」
そう言って私は猪野くんから視線を逸らすとと見覚えのあるものが目に入った。
近づいて見てみると
「これ・・・」
瓦礫の下の影から見えたのは七海さんの鈍だった。
いつの間にこんなところに・・・
猪「七海さんの・・・」
「どうしよっかな・・・」
置いておくのもあれだし、かといって持っていくのも・・
猪「あの、俺に預けて欲しい・・っす」
「!」
・・・猪野くんは七海さんを慕ってたしなぁ・・・
猪「その、皆見さん的にはダメだと思いますが・・・」
「ダメじゃないよ。むしろ誰よりも適任だと思う。大切にね」
猪「! あざっす!」
「じゃぁ、傷、お大事にね」
猪「皆見さんも、気をつけてください!」
「ありがと」
私は地下を出て、そして東京第2結界まで歩く。
「・・・・」
そういえば猪野くんって少し灰原さんに似てるんだよな。
悠仁もどことなく・・・
「ふふ」
七海さんの周りにはあんな感じの人たちが近くにいるようになってるのかな
そんな事を考えてると目の前に現れたのは
コガネ「よぉ、俺はコガネ!!この結界の中では死滅回游っていう殺し合いのゲームが開催中だ!一度足を踏み入れたらお前もプレイヤー、それでもお前は中に入るかい!?」
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作者名:あや | 作成日時:2023年12月10日 15時