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「実は、事務所くる数ヶ月前までは彼氏がいたんだよね。」
「ええ！」
「2年付き合って、仲も良かったんだけどね」
「…なんで別れたの？」
今でもよく覚えてる。
「私がオーディションに落ちた時に、実力不足だったんじゃない？って言われたから。」
…それは、普通に励ましだったのかもしれない。
でもあの時の私は、ショックで立ち直れなかった。
「…それだけでフるって、結構ひどいよね」
「まーけどそのおかげで僕の彼女になってくれたから、結果オーライ」
ジミンはうんうんと頷く。
「……それで事務所入ったらさ、」
「…うん」
まだ続きがあるのか、とまじめな顔つきになったジミン。
「……ダンスがすごく上手な人を見つけて。」
「………」
「それはホビだった。」
「うわ。」
期待して嬉しそうだったのが急にショックを受けた顔に。笑
「……まぁ、その後に出会った人のダンスと、綺麗すぎる瞳に引き込まれたんだよね。」
「…僕？」
私が頷くと彼はまた嬉しそうに目を細めた。
「…僕も、Aのダンスと瞳でやられたんだよ。」
「ええええ」
衝撃。
「…最初は、なんだこの変な人って思った。」
「それは否定できない。」
「でも、踊り始めたら何かが憑依したみたいにめっちゃ表現力あって、あんなに踊りが上手いって思ったのは久しぶりだった。」
「…そうなんだ。嬉しい」
「それで、…あー、そうそう、あの時、ネクタイを引く振り付けあったじゃん」
「…….あったね。」
「その時に、Aは全然軽く引いてたのに、僕めっちゃ強く引かれたと思ってさ」
「え、なんで？」
「いや、もう、Aの目が綺麗すぎて、その衝撃があまりに強かったから、Aが強く引いたのかなって勘違いしたの。」
「……えぇ、そんなことあったんだ。」
「今思えば、もうその瞬間から、僕やられてました。笑」
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恥ずかしそうに、でも嬉しそうに言うジミン。
あなたのその顔が大好きだよ。
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作者名：Muu | 作成日時：2021年1月21日 13時
