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Aの家へとマネヒョンが車で送ってくれている。
その道中で僕はさっきのテヒョンの言葉を思い出していた。
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電話を切ってから、みんなが少しだけ作業をするために残る、と言った。
僕もそうするべきかと思った時にテヒョンが僕に近づいてきて
TH「お前は違うだろ」
と言った。
TH「…お前はヌナのところにいってあげなきゃだめだよ。…ヌナが今1番必要としてるのはお前だから。辛くても向き合わなきゃ。」
「…うん」
テヒョンが言ってることは正しい。
…でも、なんでそんなに強く言うんだ？
「…テヒョンア……？」
…….なんでそんなに苦しそうなんだよ
TH「僕は行ってあげられないんだから。……お前しかダメなんだから。この辛さ分かってよ。」
「は…？」
それって………
TH「いいから、早くいっていって。ほら。」
僕はテヒョンに押されるようにしてその場をあとにした。
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僕らと同じ棟の、一階下。
インターフォンを押すとダウンヌナが出てきて
「…あとは頼んだ」
って言って笑った。
僕はそれにうなずいて部屋の中へと入る。
仮の部屋だから、当たり前だけど物が全然ない。
そうやって周りを見ていたら、なにかが近づく音が聞こえた。
向こうからとことこ走ってきたのは……
「ジミー…」
ジミーはクゥンと僕を見上げた。
しゃがみこんで撫でてやると嬉しそうにすり寄ってくる。
「…いつもAのそばにいてくれてありがとうね、相棒。」
僕はそう言って立ち上がり、奥の方へと進んだ。
大きなベッドがあって、その端っこに、彼女が静かに座っていた。
「…A、遅くなってごめんね」
僕がそう言うと、彼女は立ち上がって僕の元へと歩いてきた。
そのまま僕に抱きついてくる。
何日ぶりかの彼女の感触に僕は幸せを感じて、その体をぎゅっと抱きしめ返した。
「…迷惑かけてごめんなさい。」
「…全然だよ、僕も気づいてあげられなくてごめんね。」
「ううん…」
とりあえず泣き止んでいて良かった。
「…さっきの電話、ありがとう。」
まだ濡れた瞳が僕を見つめる。
「ああ、あれは、テヒョンが…」
言いかけて僕はハッとした。
…僕はありがとうなんて言われる資格がない。
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作者名：Muu | 作成日時：2021年1月21日 13時
