10 ページ10
.
彼女の家は、俺のマンションの隣のアパートで、こじんまりしていて、女子大学生らしい家だなと思った。
玄関まで行って、
「じゃあおやすみ」
というと、返事が返ってこない。
無視して行ってもよかったけど、気になったので待ってみる。
「あの、おじさん…」
彼女が呟いた。
「…ずっと思ってたけどおじさん呼びやめろ。３つしか変わらねーんだぞ。」
話を聞こうと思ったけど一点引っかかったから言った。
「…だって名前知らないから。」
それを言われてハッとする。
そっか、俺は彼女の名札を見て名前を知ったけど、彼女は知らないのか。
「…ミン・ユンギ。」
俺がそういうと彼女は、嬉しそうな顔で
「ユンギ…さん、か。」
と言った。
「まー好きに呼べ。」
彼女が頷いたのをみて、帰ろうとしたけど、
「さっきお前何か言いかけてたな。」
と、また彼女にむきなおった。
「…はい、あの、明日は仕事、ですよね？」
「おう。」
「…頑張ってくださいね。今日はありがとうございました。」
ぺこっと礼をされて、見た目とのギャップに驚く。
「…お前礼儀正しいやつなんだな。……ありがとな。」
「…いえ、また、買いに来てくださいね。タバコ。」
また会いたい、と言っているように聞こえて柄にもなくドキッとしたけど、何もないふりをしておう、と返事をした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 589人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Muu(プロフ) - 秋良さん» とても励みになります。ありがとうございます！鼻血出せるように頑張ります笑。 (2021年6月17日 0時) (
レス) id: 350ffc1ce7 (このIDを非表示/違反報告)
秋良(プロフ) - こんばんは。初めまして。もの凄く幸せな気持ちになりました。鼻血でそうです。次回も楽しみにしてます。 (2021年6月16日 18時) (レス) id: 182bc41aa4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Muu | 作成日時：2021年6月4日 15時
