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次の日、寝不足気味な俺は寝室をそっと開けて覗いた。
「…」
おい、幸せそうにぐっすり寝てんじゃねーよ。
少し口開けて可愛い顔するな。
叩き起こしてやろうか。
なんて。
…いかんいかん。
俺は彼女の方へ行って、ベッドの端に座った。
「…A」
何度か名前を呼んだけど、こいつ、全然起きない。
「…A、おい、起きろ」
ほっぺをつつくと
「……んんっ」
すっげえ嫌な顔するな。
ちょっと傷つくじゃねーかよ。
「……お前が起きねーと家の鍵開けっ放しになるだろうが、起きろ」
大きめの声で言うと、
「………ん?あれ………ユンギ……さん?」
って、やっと起きたみたいで、眠たそうに目を開いた。
と思ったら
「……え、え、あ、ゆ、ユンギさんのベッドで、私、寝てた……んだった…!」
起きて早々パニックになっている彼女を見て思わず笑ってしまう。
「昨日はあんな大胆なこと言ったくせに何今更ここで照れてんだよ。逆だろうが」
「うわ!しっ!言わないでください」
慌てて人差し指を口にやるA。
まったく。面白いなこいつ笑
「…まー、とりあえず休んで元気になったみたいでよかったよ、朝飯は?食うか?」
「…え、作るんですか?」
「そうだけど?」
「ちょっと待って、気絶しそうです」
「いや、なんでだよ」
どーゆー意味だよ。
わけわかんね。
「だって、だって」
「……………で、食うか?」
「食います」
「ん、じゃーとりあえず洗面所いくか、」
「わか…りました」
俺は恥ずかしそうに俯く彼女の手を引いて、寝室を後にした。
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Muu(プロフ) - 秋良さん» とても励みになります。ありがとうございます!鼻血出せるように頑張ります笑。 (2021年6月17日 0時) (レス) id: 350ffc1ce7 (このIDを非表示/違反報告)
秋良(プロフ) - こんばんは。初めまして。もの凄く幸せな気持ちになりました。鼻血でそうです。次回も楽しみにしてます。 (2021年6月16日 18時) (レス) id: 182bc41aa4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Muu | 作成日時:2021年6月4日 15時