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お母さんが服や化粧品を捨てて去った後、
入れ違いのように入ってきたのはユンギさんだった。
涙でぼやけた視界に、彼の姿がぼんやり見えて、
幻覚でも見たのかと思ったけど、その人は近づいて大丈夫か？と声をかけてくれた。
「……状況的には大丈夫じゃないのわかってるけど、とりあえず、これ、着ろ。」
ユンギさんはそう言ってきていたスーツのジャケットを私にかけてくれた。
「…本物……？」
本物のユンギさん？
「ああ。そうだよ。」
本物なんだ…
「なんでここにいるんですか？」
「近く通ってたらすごい声聞こえたから只事じゃないなって思って来たんだよ」
「……」
なんで近くにいたの、とか、いっぱい気になることあったけどとりあえず今は彼がここに来てくれたのが嬉しくて。
やっと落ち着いて来たら、私は今下着姿だと思い出した。
「……やばっ」
だからジャケットかけてくれたのかと気づいて一気に恥ずかしさがくる。
おまけに化粧もしてないし。
「……はぁ、もう最悪。ほんとすみません。見苦しい姿見せて。」
心の底から申し訳ないと思った。
そしたら、
「…いい。とりあえず落ち着くまでいてやるから。」
なんて言ってくれるから、私は、なんなら反射的に、
彼に抱きついていた。
「…！………おい。」
迷惑なのもわかるけど、
でも、どうしてもこの人が好きだから許して欲しい。
「…私このあとバイトなのに…こんな顔でいけない……服もいっぱい捨てられたし、どうしよう。私。バイト頑張って貯めたお金だったのに……なんで自由に生きちゃダメなんだろう。ずっと作って愛想振りまいて生きていけばいいの？」
心の奥の気持ちを素直に吐き出すと、また涙が溢れて来る。
するとユンギさんが、
私の体をギュッと抱きしめ返した。
「…とりあえず今日のバイトは休め。俺が連絡しとく。……んで、服は、オレが買ってやる。なんでも。好きなもの。化粧品も、よくわかんねーけど、それも俺に言え。……分かったか？」
優しく頭を撫でてくれるユンギさん。
「…………全然分かんないです。」
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Muu(プロフ) - 秋良さん» とても励みになります。ありがとうございます！鼻血出せるように頑張ります笑。 (2021年6月17日 0時) (
レス) id: 350ffc1ce7 (このIDを非表示/違反報告)
秋良(プロフ) - こんばんは。初めまして。もの凄く幸せな気持ちになりました。鼻血でそうです。次回も楽しみにしてます。 (2021年6月16日 18時) (レス) id: 182bc41aa4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Muu | 作成日時：2021年6月4日 15時
